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高蔵寺ニュータウンで貨客混載型の自動運転×MaaS実証実験を実施

~128カ所間を対象に、オンデマンドによる人・商品を対象とした配車・運行ルートを自動調整~

2022年2月4日
愛知県春日井市
国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学
株式会社KDDI総合研究所

愛知県春日井市(市長:伊藤 太、以下「春日井市」)、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(所在地:愛知県名古屋市千種区、名古屋大学総長:松尾清一、以下「名古屋大学」)、株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下「KDDI総合研究所」)は、愛知県春日井市高蔵寺ニュータウン地区における新モビリティサービスによる地域活性化を目的として、自動運転車「ゆっくりカート」(注1)(注2)による人の送迎(注3)に加えて、同一車両を用いて商品の配達を行う、貨客混載型の自動運転×MaaSの実証実験(以下「本実証実験」)を、2022年2月1日から2022年3月11日の間、実施します。

本実証実験では、あらかじめ登録された128カ所の停留所(店舗2カ所を含む)間を、ユーザーからの乗車・配達注文の予約に応じてルートを決定し、ゆっくりカートを運行します。運行にあたり、KDDI総合研究所が2021年6月に開発した、自動運転車向けには国内で唯一(注4)となる複数予約の運行経路設定や相乗り調整を自動で行う運行管理システム(以下「本システム」)を貨客混載型に改良し、利用します。本システムに、配達機能として商品注文から自動運転車予約までの自動化および人と商品で優先度を変えた運行制御を追加することで、車両稼働率の向上を図るほか、受容性の分析やビジネスモデルの検討を行います。

本実証実験は、人の送迎と商品の配達という配車要件の異なる移動サービスを組み合わせ、きめ細やかな停留所配置により住民の自宅近く(注5)までの送迎・配達をオンデマンド型の自動運転で実現するという、新しい試みです。

 

 

 

図1:本実証実験の流れ

 

 

■ 背景・課題

高蔵寺ニュータウン地区は、まちびらきから50年以上が経過し、初期入居者が一斉に高齢期を迎えています。坂道が多い土地柄や人口減少などによる路線バスの運行本数の減少から、運転免許証返納後の移動手段に不安を抱える方が多くなっています。また、米や飲料などの重い荷物やかさばる荷物を持って移動することに不便に感じる方も増えてきています。

3者は、これまでに同地区内の移動を支援する自動運転サービスの実証実験などを複数回にわたり実施(注6)してきましたが、人の送迎のみでは車両の空き時間が発生し非効率な運用になってしまうことや、車両の稼働率が低いと将来事業化した際に採算が見込めないことが課題でした。

また、地元商店としても地域モビリティサービスを商品の配達に活用することにより、大きな初期投資なく新たな付加価値を創出できると期待されています。

 

■ 本実証実験の詳細

(1)実施時期:2022年2月1日から3月11日(土曜日、日曜日、祝日を除く)
(2)場 所:春日井市石尾台地区(高蔵寺ニュータウン内)
(3)対象者:石尾台住民
  ※商品配達サービスのご利用は、事前のお申込みが必要です。また商品購入サイトのご利用にはPCまたはスマートフォンが必要です。
(4)商品配達サービス対象店舗:ナフコ不二屋石尾台店、B&Dドラッグストア中央台店

 

■ 本システムの特徴

本システムは、人の送迎・商品の配達に関して、異なる時間的制約を設けて、配車調整、運行経路の設定を行い、ゆっくりカート内に設置された自動運転システムへの登録といった機能を自動化します。これにより、人の乗降車を優先し、その合間に商品を配達するといった効率的な運行が可能となります。人と人、人と商品、商品と商品のような複数パターンの相乗りを考慮しつつ、各種制約条件を満たした上で、走行距離が最短になるように、巡回ルートの自動調整を行います。

人と商品を対象に優先度が異なる制御を行いながら、複数予約に基づく相乗り調整を含めた運行経路の自動登録を行うシステムは、自動運転車向けには初めて(注4)となります。

 

 

<制約条件>

  商品
時刻 乗車時刻または降車時刻の遅延は
数分~十数分程度までを許容
到着時刻は、1~数時間の幅で変動することを許容
停車時間 乗降車の所要時間は数十秒~1分程度 商品の積み込みや引き渡しには数分程度必要
座席数 ひとりに対して1席 商品の数や大きさにより必要座席数を計算

 

 

 

図2:人と商品の配車要件を考慮した優先制御について

 

 

3者は、今後もさまざまなパートナーと連携し、移動手段の拡大などにより、地域密着型MaaSのさらなる高度化を図るとともに、社会実装に向けた取り組みを推進していきます。

なお、本実証実験は、内閣府・総務省・経済産業省・国土交通省が連携し選定する令和3年度スマートシティ関連事業のうち、経済産業省「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業(地域新MaaS創出推進事業)」の実証事業に採択された取り組みです。

 

■ 各者の役割

春日井市    :広報活動、実証実験地区への協力依頼、住民参加の募集
名古屋大学   :自動運転の実証実験企画、自動運転車の運行
KDDI総合研究所 :自動運転の運行管理システムの開発・運用支援

 

 

貨客混載型の自動運転×MaaS実証実験 *追記2022/03/07

 

 

■ KDDI総合研究所の取り組み

KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーと、それらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。
今回の取り組みは7つのテクノロジーの中の「ネットワーク」「プラットフォーム」に該当します。

 

 

(注1)電動ランドカー(ヤマハ発動機製)をベースに名古屋大学が開発したもので、誘導線方式ではない、公道を走行できる日本初の自動運転カートです。
(注2)レベル3の自動運転。車両オペレーターが乗車しています。
(注3)自動運転車による人の送迎については、2022年1月24日より開始しており、2022年3月18日までの実施を予定しています。
(注4)2022年2月4日時点、KDDI総合研究所調べ。

(注5)停留所間は自動運転、停留所から自宅までは手動運転で運行します。
(注6)関連する実証実験:
自動運転車の運行経路・相乗り調整自動化システムの実証実験を開始(2021年6月18日発表)
MaaSアプリ利用でクーポンを提供する地域密着型MaaS実証実験を愛知県春日井市高蔵寺ニュータウン地区で開始(2020年12月18日発表)

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。