株式会社KDDI総合研究所
Society5.0時代に向けた、KDDIの次世代社会構想。
KDDI5.0

いま世界は、生き方の新たなスタンダードへ向かうための転換点に立っている。
われわれ人類は、従来の社会のあり方を根底から問い直さなければならない。

「Society 5.0」へ向かう、この時代。
KDDIは、一人ひとりが求める生き方と、
持続可能な経済発展が両立する未来を実現させる。

夢のような明日を現実にするのは、
リアルとバーチャルの間にあるすべてをデータでつなぐ
次世代の社会システムと、それを支えるテクノロジーだ。

これまでつながることのできなかった「なにか」と常に接続している未来は、
多様で複雑なすべてのライフスタイルの望みを叶える、
かつてなく自由で、ワクワクするものになるだろう。
KDDIはデジタルトランスフォーメーションを推し進め、
これまでに培ってきた通信をはじめとする先端技術、
人と人とをつなぐコミュニケーションに対する知見、
広がりつづける心強いパートナーたちとの連携で、
ヒトとテクノロジーの新しい関係構築へ向けて加速してゆく。

新たな社会基盤となる3つのレイヤが、新たなライフスタイルとレジリエントなビジネスを生み出す

外的環境の変化によって、あっという間に生活の安心感は失われ、ビジネスも立ちゆかなくなってしまう―――。
COVID-19は、私たちの社会の脆さをまざまざと見せつけました。

外部環境の変化にもしなやかに対応できる社会を作るには、何が必要なのでしょうか?

今、注目されているキーワードが「DX」、デジタルトランスフォーメーションです。

企業の業務をデジタル技術で効率化することが、DXではありません。

ビジネスや一人ひとりの生活を含む社会環境を、デジタル技術によって再構築していく、それこそがDXなのです。

これまでのビジネスの多くは、フロー型でした。店舗を訪れたお客様に対して商品やサービスを提供するのが基本だったため、リアルでの活動が抑制されると、ビジネスも行き詰まってしまいます。

DXが進むことで、企業とお客様のこうした関係は大きく変化することになります。次世代ネットワーク上なら、リアル以上にリッチな体験をお客様に提供することも可能です。ネットとリアルの融合が加速すると継続的なお客様とのエンゲージメントを築き、サブスクリプションを始めとしたリカーリング型のビジネスモデルに移行することができます。

強靱で多種多様なビジネスが栄えることは、人々の生活を安心で豊かなものにします。ライフスタイルに応じた自由な働き方が可能になり、高度な遠隔教育や遠隔医療サービス、心を豊かにするエンターテインメントやレジャーを誰もが享受できるようになるのです。

とはいえ、ネットワークさえ用意すれば、自然とDXが進むというものではありません。

KDDIは、新しい社会基盤を構築するために「ネットワークレイヤ」、「プラットフォームレイヤ」、「ビジネスレイヤ」という3つのレイヤを整備することが不可欠だと考えています。

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ネットワークレイヤ
1.

国際水準の最先端テクノロジーを導入し、
日本の社会の5Gネットワーク浸透を加速
する

新たな社会基盤の土台となるのは、フィジカル空間とサイバー空間の情報循環を加速する「ネットワークレイヤ」です。その中心となる5Gネットワークは、超高速・大容量、超低遅延、多数同時接続を実現し、あらゆる産業に巨大なインパクトをもたらすことでしょう。

5Gネットワークを日本の社会と産業に浸透させるには、最新技術に基づく信頼性の高いネットワークをできるだけスピーディに全国展開する必要があります。

KDDIは、積極的な先行投資と地方におけるインフラシェアリングなどにより5Gネットワークの全国展開を加速します。高品質なエリアと魅力的な端末や新たなサービス投入によりコンシューマ市場の5Gサービス利用が進展することで、各産業向けのIoT利用も活性化することができます。

また、KDDIは日本の国際競争力の維持のために国際水準の最先端テクノロジーをいち早く日本に実装しています。同時に、強固なサプライチェーン確立のためのオープン化を進めるとともに、政府機関や関連団体との連携により、巧妙化するサイバー攻撃に対応できる安全なネットワークの構築を目指しています。

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プラットフォームレイヤ
2.

最先端技術のオープンなプラットフォーム環境が、
日本の未来社会システムの構築を加速する

ネットワークレイヤの上に構築されるのが、フィジカル空間から集積されたデータをサイバー空間で解析し、予測結果などをフィジカル空間にフィードバックしてこれまでにない新しい価値を生み出す「プラットフォームレイヤ」です。

KDDIは、5GネットワークとグローバルIT企業群の最先端クラウド技術を融合すると同時に、日本のベンチャー企業や国内企業のプラットフォームとの連携により、日本の各産業に向けた最先端技術のオープンなプラットフォーム環境を整備します。

データを処理するテクノロジー環境が整うことで、生活者や企業のためのさまざまなプラットフォームが立ち上がってくることでしょう。代表的なものとして、生活者の最適な行動や選択肢を提案する「パーソナルエージェント」や、最適な経済メカニズムを実現する「産業データプラットフォーム」や、安心・安全を実現する社会システムを稼働させる「都市OS」の3つが挙げられます。

こうしたプラットフォーム同士はリアルタイムに調和して動作し、この上にさまざまなビジネスが花開くことになります。

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ビジネスレイヤ
3.

大企業からスタートアップまで、
オープンイノベーションにより日本のDXを加速する

強靭なネットワークとオープンなプラットフォームの上に位置し、新たなサービスやソリューションを生み出すのが、ビジネスレイヤです。

プラットフォームレイヤがデータの集積や解析などの処理を担うため、それぞれの企業は自らの強みを活かしたビジネスに注力することができます。

オープンなプラットフォーム環境を利用することで、企業同士のパートナーシップとイノベーションが促進されることでしょう。異なる産業の企業同士が手を組み、業種のアセットやノウハウを組み合わせながらサイバー空間とフィジカル空間を融合させる。これによりお客様との新しいエンゲージメントを創出することができると、リカーリングモデルへの転換が図られ、レジリエントなビジネスに進化することができます。

KDDIは、大企業からスタートアップまで多様な業種が参加するパートナー連合を結成。また、オープンイノベーション拠点「KDDI DIGITAL GATE」では、デザイン思考をベースとしたワークショップやアジャイル開発チームによるプロトタイピングといったアセットを保有しています。多くの企業との協創と各産業のDX推進により、日本の経済成長と明るい未来社会の創造を目指しています。

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生活者一人ひとりに最適化されたライフスタイルを実現する、
活力に満ちた社会の構築へ向け加速してゆく

未来において、私たちはどんな社会に生きているでしょうか?

自動運転車やドローン、ロボットが身近で生活をサポートしてくれたり、仮想現実のエンターテインメントを楽しんでいる、そんな未来を想像する人もいるでしょう。今はまだない、便利なプロダクトやサービスがたくさん登場しているのは間違いのないところです。

けれど、新しい社会基盤が実現するのは、便利なプロダクトやサービスだけではありません。

新しい社会基盤がもたらす最も大きな変化とは、社会のあちこちで「フィードバックのループ」が生まれるということ。このフィードバックのループとはいったい何でしょうか?

私たちは、日々たくさんの課題や不満を抱えて生きています。それは、自分の好みに合った服が見つからないといったささいな課題や不満のこともあれば、健康や仕事に関する深刻な課題や不満もあるでしょう。

今の社会においては、一人ひとりの抱いている課題や不満が解消されるには、時間や手間がかかります。

しかし、フィジカル空間とサイバー空間をつなぐ社会基盤が登場することで、こうした状況は大きく変わることになります。

フィジカル空間で暮らす生活者の状況や状態は、身の回りにあるセンサーなどによって吸い上げられ、サイバー空間へ送られます。サイバー空間では、生活者の不満を解消し、欲求を満たすための方策が探索され、その結果は再びフィジカル空間へとフィードバックされます。

このフィードバックのループが回ることで、社会活動や経済活動の最適化が常に進行していきます。サービスはより効率的で便利に、資源や労働の無駄はより少なく。私たち生活者の可処分時間は増加し、一人ひとりが自分らしく過ごせるようになっていく。新たな社会基盤が存在する時代には、社会との調和と個人の自由をごく自然に両立させることができます。

そんな時代は、遠い未来の話ではありません。

ほんの少し手を伸ばせば届く数年先———。KDDIの技術は、未来を私たちの手元に引き寄せます。

フィジカル空間とサイバー空間を一体化する
7つのテクノロジー

リアルなヒトやモノが存在する「フィジカル空間」と、コンピュータの世界「サイバー空間」。2つの空間は別個に存在するのではなく、急速に一体化しつつあります。

フィジカル空間から収集された情報は、サイバー空間で解析され、再びフィジカル空間へとフィードバックされます。

この循環を支えるのが、密接に連携した7つのテクノロジーです。

7つのテクノロジーとは、「ネットワーク」、「セキュリティ」、「IoT」、「プラットフォーム」、「AI」、「XR」、「ロボティクス」を指します。

複数のシステム間で情報やデータが自動的に流れ、これらの情報やデータを複数のシステムで使う仕組みを「オーケストレーション」といいますが、7つのテクノロジーもオーケストレーションによって連携しています。

まず「ネットワーク」によってフィジカル空間とサイバー空間が結びつけられ、「セキュリティ」が両方の安全を確保します。こうして作られた安全な経路を通じ、「IoT」がフィジカル空間の情報を収集してサイバー空間へと送ります。

サイバー空間の「プラットフォーム」に集積された情報は、「AI」によって解析され、どのようにフィジカル空間に働きかけるかが導き出されます。

実際にフィジカル空間に働きかけるのが、「XR」と「ロボティクス」。「XR」が人間の知覚に対して働きかけ、「ロボティクス」がドローンやロボットといった物理的な存在を動かします。

この循環が何度も何度も繰り返されることで、社会活動や経済活動は最適化されていくことになります。

5Gの普及でフィジカル空間とサイバー空間の融合が進んでいます。フィジカル空間のデータはサイバー空間に集められ、様々な分析やシミュレーションが行われるようになります。

さらに、B5G/6G時代になれば、サイバー空間からフィジカル空間へのフィードバックもより強化されることになります。KDDIが進めている、ライフデザインサービスのプラットフォーム、ヒトの行動変容を促すAIやXR、ロボティクスなどの研究は、こうした変化を加速することになるでしょう。