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動画解析と対話エージェントによる食習慣の改善に向けた研究を開始

~食事内容をリアルタイム解析し、AIがその場で改善アドバイス~

2021年11月25日
株式会社KDDI総合研究所

株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下「KDDI総合研究所」)は、食事中からの気づきや行動変容を促すことでより良い食習慣の定着を目的に、生活者一人ひとりに適切な食事の取り方をリアルタイムにアドバイスする技術に関する研究(以下「本研究」)を、2021年11月25日から開始します。
本研究では、生活者一人ひとりの食事内容の可視化に焦点を当て、食事シーンの動画解析に基づくリアルタイムアドバイスを行う対話エージェントの実現を目指します。
また、本研究は、京セラ株式会社の「物体認識AI技術」とKDDI総合研究所の「雑談対話型AI」を用い、両社連携して進めていきます。

 

 

 

 

【背景】
糖尿病をはじめとする生活習慣病では、一人ひとりの体質だけではなく、食事、運動、睡眠、ストレスなど様々な不健全な生活習慣の積み重ねにより発症すると言われています。生活習慣病は健康寿命の阻害要因となるだけでなく、国民医療費にも大きな影響を与えており、人生100年時代を迎えるこれからのライフステージにおいては、生活習慣病の発症予防や重症化予防が更に重要になると考えられます。
昨今の健康志向の高まりにより、スマートフォンで撮影した食事内容からメニューや栄養成分を解析するなど、生活者が手軽に利用できるヘルスケアサービス・アプリケーションが数多く提供されていますが、大きく2つの課題があります。

 

1)食事解析精度
食事内容を写真として撮影し解析を行う場合、撮影自体を忘れてしまったり、撮影後の調味料利用や食べ残しなど、時間経過に伴う変化が反映されず、適切な食事アドバイスを行うには多くの障壁があります。

 

2)ユーザーへのフィードバックの遅延
解析結果は、その後の食事で気を付けるべき事項の提示に留まり、現在取っている食事そのものに対してその場、その瞬間に役立つアドバイスをユーザーに提供することは困難です。

 

本研究では、上記課題の解決のため、動画による食事画像解析と食事アドバイスを組み合わせた取り組みを進めていきます。

 

【今回の取り組み】

<食事画像解析>
食事画像解析においては、京セラ株式会社 先進技術研究所にて開発された独自の「物体認識AI技術」(注1)を活用します。「物体認識AI技術」は1台のカメラで重なり合った複数の物体を即座に認識できるほか、認識対象物体の新規登録時の学習時間を従来の方法に比べ大幅に削減することが可能となるので、多様化する食事内容についても幅広く認識できることが期待できます。
本研究では、「物体認識AI技術」を食卓における食事内容・食器の解析に発展させることで、食事の順序・速度・食べ残しなども把握することを目指します。

 

 

 

 

<食事アドバイス技術>
検出した食事内容から適切な食事アドバイスの生成を行うにあたり、KDDI総合研究所が開発した「雑談対話型AI」(注2)技術を用います。「雑談対話型AI」により、解析された食事内容やユーザーとの対話から食事アドバイスを生成し、食事最中であるユーザーに即座に話し掛けたり質問を投げかけたりすることができるようになります。リアルタイム解析・リアルタイムアドバイスを可能とすることでサイバー(仮想)空間とフィジカル(現実)空間の循環の高速化を図り、食事中からの気づき・行動変容を促します。

 

 

 

 

【今後の展望】
2022年3月からは社内実証実験を開始し、2022年度中には医療機関との実証実験を開始する予定です。また、関連する要素技術を持つパートナーとの連携を拡大していきます。

 

 

 

 

【補足資料】
(注1)画像認識型「スマート無人レジシステム」を開発(2021.6.10)
     カメラ1台でOK!京セラの物体認識AI技術(2021.6.11)

 

(注2)ニュースから広がる対話を特徴とする「雑談対話型AI」を開発
    ~毎日話しをするのが楽しみになる対話の実現に向けて~

 

 

■ KDDI総合研究所の取り組みについて
KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。
両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーと、それらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。今回の取り組みは7つのテクノロジーの中の「XR」「AI」を活用します。

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。