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ニュースから広がる対話を特徴とする「雑談対話型AI」を開発

~毎日話しをするのが楽しみになる対話の実現に向けて~

2018年4月27日
株式会社KDDI総合研究所

株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中島康之、以下「KDDI総合研究所」)は、社会で関心の高いニュースをきっかけに広がる対話が特徴の「雑談対話型AI」を開発しました。本技術により、毎日の豊富なニュースの中から利用者の関心に合った話題で対話を行う機会が増え、対話型AIを通じたコミュニケーションの利用が日常生活の中で浸透していくものと期待されます。

 

【背景】
近年、スマートスピーカーやチャットボットといった自然言語(音声、テキスト)で話しができる対話型AIが話題になっています。対話型AIは自然言語での対話を通じて、音楽の再生や、天気予報をお知らせするなどの簡単な動作をさせることができます。
また、対話の場面を拡大するための工夫として、特定の動作を実行させる以外に、雑談を行う機能を有した対話型AIもありますが、そのほとんどは、あらかじめ準備されたシナリオのみに基づいた対話のため、話題が少なく、日常生活において対話型AIの利用が浸透しているとは言えませんでした。

 

【今回の成果】
このたび、KDDI総合研究所は、ニュースを対話のきっかけとした新たな「雑談対話型AI」を開発しました。利用者の関心に合致し、最新のニュースを題材とした対話を行うことにより、話題が豊富で飽きられにくい雑談対話が可能です。特に、ニュースと合わせてSNSなどの世間の反応も対話の材料にすることで、より多くの情報から継続した対話を提供できることが特徴です。本技術により、特定の用件がある場面以外でも対話型AIを楽しむことができるなど、対話型AIによるコミュニケーションの利用場面を大きく拡充することができます。

 

時事話題に連動した雑談対話AIの全体イメージ

 

【技術的特徴】
今回開発した「雑談対話型AI」では、ソーシャルメディア解析技術に基づく時事話題対話エンジンを活用し、利用者の興味関心に合致し、かつ社会で話題になっているニュースをリアルタイムに取り込んだ雑談対話を実現しています。さらに、一般的な日常対話シナリオについても、クラウドソーシングによって、質の高い対話表現を大量に蓄積することにより、時事話題から派生した楽しい雑談への対応も可能にしています。

 

(1)時事話題対話エンジン
ソーシャルメディア上で話題になっているニュース、およびそのニュースに対する利用者の反応(ツイート等)を収集し、対話の話題として活用しています。利用者のプロフィールのみならず、選ばれた話題に対する社会の反応を対話の内容に織り交ぜることで、人間同士の世間話のような雑談を続けることができます。

 

(2)日常対話エンジン
時事話題以外の日常的な対話を拡充するため、クラウドソーシングによって蓄積された雑談対話シナリオを時事話題と組合せて利用しています。クラウドソーシングの活用により、実際の人間同士の対話のような複数回の相互発話を含む、一貫性のある対話シナリオを効率的に作ることができます。

 

今回の雑談対話型AIの被験者実験を行った結果、政治やスポーツなどの幅広い話題に対し、既存の対話型AIの2~3倍の長さで、一貫性のある自然な対話が続けられることを確認しました。

 

【今後の展望】
KDDI総合研究所では今回の成果を活用し、利用者とAIとの双方向の発話により、日々の継続した対話の中からより深く利用者を理解し、それぞれの利用者に合った最適なサービスを提供することを目指します。今後、今回の開発成果をスマートフォン向けのアプリ、およびスマートスピーカーや宅内ロボットなどに搭載し、多くの方が利用できる環境を提供していく予定です。

 

 

 

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。