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触覚技術で離れていても気持ちがつながるソファ型コミュニケーションシステム「Sync Sofa」を開発

~オンラインでもそばにいる感覚を~

2021年11月25日
株式会社KDDI総合研究所

株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下「KDDI総合研究所」)は、五感の再現・表現技術を活用して遠くの人と気持ちがつながるインタラクションを実現するハプティクス(触覚技術)分野の研究開発の一環として、「身振り手振り」や「あいづち」、「肩や背中をなでる」といった相手と共感や一体感を生み出す身体的コミュニケーションが可能なソファ型コミュニケーションシステム「Sync Sofa(シンクソファ)」を世界で初めて(注1)開発しました。
オンラインでのファンサービスや、YouTuberに代表される動画配信者のイベントなどへの活用により、オンラインコミュニケーションの体験をより豊かにすることができます。また、将来的には、離れていても家族や友人など身近な人が隣りにいる感覚を味わえるなど、距離にかかわらず豊かなコミュニケーションを誰でも楽しめる社会の実現を目指します。

 

 

 

 

【背景】
KDDI総合研究所は、2030年に向け、離れていてもあたかもそこにいる・あるかのような、距離を感じさせない社会の実現を目指し、XR技術の分野において五感の再現・表現技術の研究開発を進めています。
昨今、コロナ禍を受けて、オンラインコミュニケーションの機会が増えていますが、触れ合いを感じるコミュニケーション手段は提供されておらず、「身近にいる感覚」が不足しています。また、家族・友人との触れ合いやオンラインイベントなどでの感動体験の創出には、より深いコミュニケーション効果が必要です。そこで、親しみを生み出すとされる「隣り合う」コミュニケーションスタイルに着目し、まるで隣にいるような感覚の再現、提供を目指すこととしました。

 

【今回の成果】
これまでにKDDI総合研究所は、遠隔での懇親の体験価値をより高める目的から、遠くにいる人と「乾杯」や「お酌」といった食事中の身体的コミュニケーションが可能なグラス型コミュニケーションシステム「Sync Glass(シンクグラス)」を開発し、技術検証を進めてきました。「Sync Glass」では手を介した触覚にフォーカスしたインタラクションでしたが、今回は「身振り手振り」や「あいづち」、「肩や背中をなでる」といった、全身を介した触覚体験を提供するため、背面および座面に複数の触感提示デバイスを搭載したソファ型コミュニケーションシステム「Sync Sofa」を世界で初めて開発しました。

 

「Sync Sofa」はディスプレイ、カメラ、スピーカー、マイクロホン、振動アクチュエーター、加速度センサーを搭載し、遠隔の相手の等身大映像と音声の伝送に加え、相手の動作や反応によって生じる音と振動を伝送してリアルに表現します。
「Sync Sofa」では、ソファに搭載した複数の加速度センサーならびにマイクロホンからの信号をもとに、相手の動作や反応を表現する複雑で微細な触感をリアルタイムに合成し、複数の振動アクチュエーターにより音と連動した形で体の広範囲に提示できます。さらに、自身の視点位置に応じた相手の見え方をディスプレイ上に忠実に再現します。これらの触覚・聴覚・視覚の再現により、相手と隣り合う感覚を提供します。

 

 

※2022年10月27日画像差替え

 

 

 

<「Sync Sofa」の仕組み>

 

 

【今後の展望】
KDDI総合研究所は、「Sync Sofa」による体験の拡張を継続的に進めていくとともに、五感の再現・表現技術がコミュニケーションにもたらす影響を順次分析し、さらなる知見を獲得していきます。また、さまざまなパートナーとの連携を図るとともに、より大規模な空間を対象とした五感体験の実現に向けた研究開発を推進し、ニューノーマル時代の新しいライフスタイルの実現を目指します。

 

 

※2022年5月31日動画削除

 

 

【関連する研究成果】
オンラインでも乾杯の感触を
~触覚技術で遠くにいる人との気持ちがつながるコミュニケーションシステム「Sync Glass」を開発~
(2021年3月15日報道発表)

 

【補足資料】
(注1)視聴触覚技術を統合したソファ型コミュニケーションシステム(相手の動作や反応を検出し、視聴触覚を統合した全身への体感を送受信できること)が世界初。(2021年11月25日時点 KDDI総合研究所調べ)

 

 

■ KDDI総合研究所の取り組みについて
KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。
両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーと、それらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。今回の成果は7つのテクノロジーの中の「XR」に該当します。

 

 

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