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調査レポート R&A「ウェアラブルデバイスを使った睡眠改善法」

2023年1月31日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、国内外のICT市場動向、情報通信政策などについて多角的な視点から調査したレポートR&Aを発行しました。

 

タイトル:ウェアラブルデバイスを使った睡眠改善法

執筆者 :目黒巧巳 髙山史徳

 

サマリー

「健康に良いことはだいたい嫌われるものだが、人が唯一好むものがある。それは心地よい夜の眠りだ。」これは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて小説家や編集者として活躍したEdgar Watson Howeの言葉である。本稿は、心地よい眠りをとりたいと願い続ける一般の健康愛好家を対象読者層とし、睡眠時間と健康との関係や現代人の睡眠時間に関する調査結果をまとめた上で、昨今普及しているウェアラブルデバイスを使って睡眠を改善するアプローチを考察した。
睡眠時間と健康との関係を調査した一連の論文から、睡眠時間は長すぎても短すぎても良いわけではなく、一般人の場合には7時間台(主観値)が一つの目安になることを述べた。睡眠時間の主観値と客観値を比較した研究を眺めると、我々が認識している睡眠時間は、デバイスによって計測された睡眠時間とは大きな隔たりがある上、過小認識している者から過大認識している者までいることがわかった。また、ウェアラブルデバイスで計測できる睡眠指標のうち、睡眠・覚醒状態に関する指標は、研究で活用できるレベルの精度で評価可能な一方、睡眠段階に関する指標の精度は現状では不十分である。したがって、ウェアラブルデバイスを使う健康愛好家へのお勧めは、総睡眠時間や睡眠効率といった指標をもとに、自身の睡眠状態を把握することである。また、日々の睡眠時間や就床時刻、起床時刻のバラつきにも気を配り、睡眠の一貫性を保つことが出来れば、健康度をより高められる可能性がある。最後に、睡眠は運動や栄養を代表とするありとあらゆる生活習慣が影響する。裏を返すと、ある人の睡眠状態は生活習慣を反映した結果とも言える。何かとストレスフルな現代社会を生きる健康愛好家は、睡眠以外の生活習慣の改善を図ることが理想の睡眠への近道かもしれない。  

 

地域:世界

 

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