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AI・データマイニング分野の難関国際会議ECML PKDD2022主催のコンペティションで優勝

2022年9月21日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、AI・データマイニング分野の難関国際会議ECML PKDD2022(注1)が主催する、国際コンペティション「Lung Cancer Survival Prediction Challenge(注2、以下「本コンペ」)」で優勝しました。今回の成果を、2022年9月19日~23日にフランス グルノーブルとオンラインでハイブリッド開催のECML PKDD2022で発表しました。

 

 

 

<ECML PKDD2022における優勝者紹介画面>

 

 

【Lung Cancer Survival Prediction Challengeの概要】
全世界で年間190万人もの人が肺がんと診断されています。そのうち、診断から5年以上生存される方はわずか25%と言われています。近年、急速に発展してきたAI技術により、個々の患者の予後をより正確に予測することで、肺がんへのさらなる理解が進み、治療方法や治療方針の改善など、臨床現場への実応用に繋がることが期待されています。そこで本コンペでは、約7.5万人の肺がん患者の臨床EHRデータ(デモグラフィック属性/病歴/喫煙歴/投薬歴/バイタルデータ等)を用いて、肺がん患者余命を高精度に予測することが課題として設定されました。高精度な予測のためには、前述のデータの欠損に加え、退院・転院等による予測対象となる余命情報の欠損といった、実データ特有の課題を解決する必要がありました。KDDI総合研究所は、これらの欠損に対しても正解のデータや余命情報を統計的に仮定し、勾配ブースティング決定木(注3)を複数組み合わせることで高精度な予測を実現し、本コンペで優勝しました。

 

KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーとそれらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。今回の成果は7つのテクノロジーの中の「AI」、中でも「フィジカル空間指向AI」に該当します。
収集データの欠損はフィジカル空間データを扱う際の大きな課題の一つであり、本コンペの成果を基に、過去データの無いもしくは少ない状況においても高精度に予測可能な技術を実現し、社会貢献につなげるよう、引き続き研究開発を推進していきます。

 

 

(注1)ECML PKDD2022
(注2)PharML 2022 Lung Cancer Survival Prediction Challenge
(注3)高性能でない弱分類器を多数用い、それらを統合しながら予測モデルを生成する手法

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。