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調査レポート R&A「日本におけるライブコマースの現状」

2022年4月22日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、国内外のICT市場動向、情報通信政策などについて多角的な視点から調査したレポートR&Aを発行しました。

 

タイトル:日本におけるライブコマースの現状

執筆者 :新倉純樹

 

サマリー

本稿は、日本のライブコマースの現状について整理するとともに、ライブコマース利用者の特徴を紹介することによって、サービスを提供するうえで重要となる要素を示すことを目的としている。

 

まず、日本におけるライブコマースの具体的なサービス内容について、ライブコマースの配信方法から大きく3つの類型に分けて整理した。1つ目は一般的なSNSや動画配信サイトを通した配信、2つ目は各企業が独自で配信サイトを公開しての配信、3つ目はECサイトなどが提供するライブコマース専用サイトを通した配信である。現在、日本でライブコマースを行う場合、以上の3類型のいずれかの配信方法で行うことが一般的となっている。

 

そして、現在の日本におけるライブコマースを通しての購買状況について、弊所が各家計の支出状況について定点的に観測するインターネット調査の結果を用いて状況を確認した。その結果、ライブコマースで何かしら商品を購入したことがあるという回答は、2.8%にとどまっていた。続いて、ライブコマースで商品を購入した回答者と、購入していない回答者について、その特徴の差を意識面から検討した。このとき、ライブコマースの特徴から、(1)ライブのような一体感のあるイベントが好きか、(2)セールで積極的に買い物をするか、(3)商品を買うときなるべく現物を見たいか、(4)隙間時間に携帯電話を見ることが多いか、(5)予定していなかった商品を衝動買いすることがあるか、(6)生活圏に満足のいく買い物ができる実店舗があるか、という6つの観点から検討した。

 

これらの6つの項目について、意識設問の集計データに対する二群の比率の検定を行った結果、ライブコマースで商品を購入していた回答者は、(1)ライブのような一体感のあるイベントが好き、(4)隙間時間に携帯電話を見ることが多い、(5)予定していなかった商品を衝動買いすることがある、が購入していない回答者よりも有意に多い結果となった。ライブコマースのライブが盛り上がること、そしてその盛り上がりの中で商品の魅力がしっかり伝わること、またスマートフォンなどで手軽に視聴が可能なことが重要な要因である可能性が示唆された。

 

地域:日本

 

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