- 先端技術研究所
通院や受診の利便性向上を目指す「つくば医療MaaS」実証実験に参加
~AIデマンドタクシー運行アプリの開発・運用および人口動態分析を実施~
2022年1月14日
株式会社KDDI総合研究所
KDDI総合研究所は、つくばスマートシティ協議会(会長:大井川和彦茨城県知事、五十嵐立青つくば市長)(注1)が2022年1月17日から実施する、通院や受診の利便性向上を目指す「つくば医療 MaaS」実証実験(以下「運行実証」)に参加します。運行実証においてKDDI総合研究所は、AIを用いて最適な経路(ルート)が選択される病院行きデマンドタクシー(以下「AIデマンドタクシー」)運行に関わるアプリの開発・提供を行います。
加えて、AIデマンドタクシーを含むつくば市の将来的な交通施策策定に向け、つくば市全体の人口動態分析およびその適用可能性の検証(以下「人口動態実証」)に取り組みます。
これらの取り組みにより、茨城県・つくば市の目指すスマートシティ「つくばモデル」実現に貢献します。
■ 背景
「高齢者や障がい者など誰もが安心・安全・快適に移動できるまち」の実現を目指すつくばスマートシティ協議会は、国土交通省スマートシティモデルプロジェクトに2019年度から採択され、以降、さまざまな実証実験を実施しています。2021年2月には、高齢者など交通に不便・不安を抱える方の移動・外出の促進を図るため、自動運転車と低速型パーソナルモビリティ(一人用の乗り物)を連携し、住宅地から最終目的地までの移動を一気通貫で提供しました(注2)。
今回(注3)は、通院や受診支援をユースケースとして、AIデマンドタクシーや病院内自動運転パーソナルモビリティなどを用いた通院、受診、会計の各工程およびこれらをシームレスにつなぐことの実現性検証や課題の洗い出し、将来的な実装に向けた検討を行います。KDDI総合研究所は、運行実証と人口動態実証を通じて、通院の工程における利便性の向上に取り組みます。
■ 運行実証・人口動態実証の概要
1.運行実証
運行実証では、対象エリアにて相乗り型の AI デマンドタクシーを走行させます。自宅から病院までの移動について、利便性の向上や送迎などの家族負担の軽減につながる、安全・安心なモビリティ手段の提供可否、ならびにAI デマンドタクシーの事業採算性を検証します。また、AIデマンドタクシーの利用促進のため、病院内の協賛店舗にて利用可能な割引クーポンを、AIデマンドタクシー利用者に提供します。
KDDI総合研究所は、対象エリアの住民がAIデマンドタクシーの乗車予約を行う「つくばスマート医療送迎アプリ」(以下「本アプリ」)の開発・運用および実験データの分析を行います。本アプリは、AIデマンドタクシーの予約機能と協賛店舗のクーポンの利用機能を有します。また、予約に応じてAIが自宅・病院間の最適ルートの計算と住民の相乗りマッチングを行い、AIデマンドタクシーを配車します。
なお、運行実証に用いるルート最適化AIシステムは、株式会社未来シェア(本社:北海道函館市、代表取締役:松舘 渉)が提供する相乗り配車システム「SAVS(Smart Access Vehicle Service)」(注4)と連携し、実現します。
2.人口動態実証
つくば市では、公共交通が必要な地域の割り出しや、適切な目的地設定などAIデマンドタクシーを含む交通施策策定を将来的に行います。KDDI総合研究所は、つくば市の交通施策策定に資する分析を行い、その適用性を検証します。
具体的には、KDDIが有するスマートフォン位置情報を用いて、あらかじめ定めたエリア単位またはエリア間での移動状況をKDDI総合研究所が分析し、AIデマンドタクシーを含む交通施策への実装を想定した検討を支援します。また、スマートフォン位置情報と、交通量調査などより詳細な情報を組み合わせた精緻な人流データを生成することで、人口動態分析の適用エリアを拡大できるかどうか検証します。
KDDI総合研究所は、今後も、さまざまなパートナーと連携し、MaaSに関する技術や位置情報ビッグデータを活用したスマートシティ向けAI技術およびそれらの知見の活用・高度化を図ります。地域課題の解決・地域発展・住民幸福度向上の実現を目指し、社会実装に向けた取り組みを推進していきます。
運行実証、人口動態実証の詳細は、別紙をご参照ください。
<別紙>
■ 運行実証の詳細
実施期間 :2022年1月17日から2022年2月14日 (日曜・祝日は除く)
目的地 :筑波大学附属病院、筑波学園病院、筑波メディカルセンター病院、つくば総合健診センター、筑波記念病院、筑波総合クリニック
対象エリア:小田地区・宝陽台地区から上記目的地までの経路上の地区
※対象エリア詳細やAIデマンドタクシー運行時間、利用の流れなどは こちらをご参照ください。
図1:「つくばスマート医療送迎アプリ」画面イメージ
※画面はイメージです。また、デザインや表示内容は今後変更する可能性があります。
■ 人口動態実証の詳細
実施期間 :2021年11月から2022年3月上旬
利用データ:au スマートフォン利用者のうち利用許諾のある匿名加工された位置情報データ、2022年1月下旬実施予定の交通量調査データ
図2:人口動態実証のイメージ
(注1)つくばスマートシティ協議会
(注2)スマート・コミュニティ・モビリティ実証実験を実施~自動運転車とパーソナルモビリティの連携による病院への移動支援~
(注3)令和3年度のスマートシティ関連事業の選定結果
(注4)SAVS(Smart Access Vehicle Service)
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