株式会社KDDI総合研究所 このページを印刷する

AI・機械学習分野の難関国際会議NeurIPS2021の気象予測コンペティションで3位入賞

2021年12月15日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、学習時と推論時のデータ分布が大きく異なるデータドリフトにおける予測性能を競う国際コンペティション「Shifts Challenge(*1)」のWeather Prediction部門で世界3位に入賞しました。

 

【NeurIPS(ニューリップス)2021 Shifts Challenge概要】

Shifts Challengeは、2021年12月6日~14日にオンラインで開催されたAI・機械学習分野の難関国際会議NeurIPS2021(*2)の中で開催された、機械学習モデルの学習時と推論時のデータ分布が大きく異なるデータドリフトにも堅牢なアルゴリズムの開発を目的とした国際コンペティションです。Weather Prediction部門では、学習データと推論データそれぞれの気候や季節が大きく異なる状況において、いかに不確実性も考慮して正しく気温を予測できるかを競い合いました。当社は、時系列データ予測に強みのある勾配ブースティング手法(*3)の中でも、高速かつ高精度なLightGBM(*4)による予測モデルを複数統合したアンサンブル予測モデルを考案しました。各予測モデルの予測値のばらつき(分散)が大きければ大きいほど、その予測対象の不確実性が高いと見做すことで、データドリフトにも堅牢な予測アルゴリズムを実現しました。

 

データドリフトは、機械学習モデルの性能劣化の原因の一つで、フィジカル空間データを扱う際の大きな課題の一つでもあります。KDDIとKDDI総合研究所は、経済発展と社会的課題の解決を両立する持続可能な生活者中心の社会「Society 5.0」の実現を加速する、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0(*5)」を、2020年8月に策定しており、当社は、その一環として「フィジカル空間指向AI」に関する研究を推進しています。本コンペティションの成果を基に、過去データの無いもしくは少ない状況で、他の種類のデータからの高精度な予測に向け、引き続き研究開発を推進していきます。

 

 

(*1)Shifts Challenge
(*2)NeurIPS2021
(*3)高性能でない弱分類器を多数用い、それらを統合しながら予測モデルを生成する手法
(*4)Microsoft社が開発した勾配ブースティング手法の一つ
(*5)KDDI Accelerate 5.0

 

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。