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国際学会Mobiquitous 2021での採録論文がBest Paper Awardを受賞

2021年11月26日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所の人流データとSNSデータの異なる2つのビッグデータから実世界で起きたイベントを抽出する技術に関する研究論文が、2021年11月10日にモバイル・ユビキタス分野の国際会議Mobiquitous 2021にてBest Paper Awardを受賞しました。

 

 

KDDIとKDDI総合研究所は、経済発展と社会的課題の解決を両立する持続可能な生活者中心の社会「Society 5.0」の実現を加速する、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を、2020年8月に策定しており、当社は、その一環として「実空間可能な」に関する研究を推進しています。本論文の研究成果を基に、自己実現や、健康増進、環境保護などの行動変容を促すコミュニケーションの最適化に向け、引き続き研究開発を推進していきます。

 

【研究概要】
イベントや突発事故、災害に関する詳細な情報の収集手段としてBlogやTwitter等のSNSデータが広く利用されています。また、昨今スマートフォン位置情報等の人流データが特定エリアの人の混雑状況を把握する手段として利用され始めています。しかしながら、これらの異なる2種のデータを統合的に解釈するには、それそれを個別に分析し、人流データから検知された異常密集の場所と、SNSデータでの投稿内容の関係を人手で判断する必要がありました。本論文では人流データとSNSデータの全く異なる2種のデータを同時に解析し、それぞれの時系列変化の相関を基に、人流データで検知された異常密集と、その原因に関連してTwitterに投稿された内容とを自動的に紐づける手法を提案し、本手法の有効性を被験者実験により評価しました。これにより、野球や音楽ライブのようなイベントの他、災害や事故、鉄道遅延等の突発的に発生する事象について、その発生場所や規模、発生した内容について、容易に把握できるようになる他、将来的にはこれらのデータを蓄積することで、将来のイベントや災害の影響予測への適用も期待されます。

 

【原著論文情報】
Naoto Takeda, Daisuke Kamisaka, Roberto Legaspi, Yutaro Mishima and Atsunori Minamikawa. Event Detection and Event-Relevant Tweet Extraction with Human Mobility. Proceeding of Mobiquitous 2021.

 

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