先端技術研究所

光ネットワークの性能を簡易かつ高精度に予測・管理する新しいアプローチの実証に成功

2021年7月7日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、University of CambridgeとUniversity College London（UCL）を拠点とする研究グループTRANSNET（注1）と、University of Bristolの研究グループと共同で、光ネットワークの性能を簡易かつ高精度に予測・管理する新しい手法について、大規模な実光ネットワークを用いた実証に成功しました。

実験は、英国の学術研究用ファイバ網National Dark Fiber Facility（注2）のうち、ロンドン、ケンブリッジ、ブリストルの3拠点を結ぶ大規模な光ネットワークを用いて行われました。本手法の特長は、コンピュータ・サイエンスにおける抽象化の概念を導入することで、光ネットワークから得られる複雑で膨大な特性データを簡素化し、光ネットワークの性能を高い精度で、かつ、ロケーションや使用する装置によらずロバストに予測できるようになります。従来の評価方法に比べて、本手法の適用により光ネットワークの設計・管理に要する計算量を大幅に削減できることが期待されます。

本研究成果は、スプリンガーネイチャー発行の学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

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論文タイトル：Distributed abstraction and verification of an installed optical fibre network
著者：David J. Ives（Cambridge）, Shuangyi Yan（Bristol）, Lídia Galdino（UCL）, Rui Wang（Bristol）, Daniel J. Elson（KDDI総合研究所）, 若山雄太（KDDI総合研究所）, Francisco J. Vaquero-Caballero（Cambridge）, Gabriel Saavedra（UCL）, Domaniç Lavery（UCL）, Reza Nejabati, Polina Bayvel（UCL）, Dimitra Simeonidou & Seb J. Savory（Cambridge）

（注1）TRANSNET：
University College London（UCL）を中心としたAston UniversityならびにUniversity of Cambridgeとの共同研究プロジェクトで、次世代ディジタル通信インフラへのトランスフォーメーションに必要な技術創出を研究テーマとしています。
（注2）National Dark Fiber Facility：
Engineering and Physical Sciences Research Councilが出資する学術研究向けダークファイバ網で、ロンドン、ケンブリッジ、ブリストル、サウサンプトンにある大学を結んでいます。

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