
- KDDI research atelier
キッザニアでの体験で育まれるこどもの非認知能力を調査
~「キッザニア白書 2021」で公表~
2021年4月16日
株式会社KDDI総合研究所
KDDI総合研究所は、こどもの職業・社会体験施設「キッザニア」の企画・運営を行うKCJ GROUP株式会社(本店:東京都千代田区、代表取締役社長:圓谷道成、以下、KCJ GROUP)と共同研究を実施し、「キッザニア」で育まれる非認知能力(IQや点数、指数などで測ることの困難な力・「生きる力」)に関する調査結果を、「キッザニア白書 2021」で公表しました。
「キッザニア白書 2021」は、こちらよりご覧いただけます。
■ 「キッザニア白書 2021」のポイント
「キッザニア」の中での体験やコミュニケーションにより育まれたこどもの自立心が自己効力感および自己肯定感の成長を促し、さらに日常生活における非認知能力の醸成へと広がっている様子を定性と定量の両側面から調査しました。調査概要とポイントは以下の通りです。
【研究1】キッザニア体験を通した非認知能力の醸成(定性調査)
調査時期:2020年7月
調査協力者:小学生とその保護者18組
募集方法:キッザニア東京「こども議会」議員とその保護者に調査協力を呼びかけ
調査方法:参与観察およびインタビュー
調査結果のポイント<定性調査の結果は図1を参照>
・アクティビティの選択においては、保護者がこどもの自立を促す「足場かけ」が行われる傾向。
・アクティビティ体験では、保護者と離れた環境でのタスク遂行や周囲と協調する様子を確認。
・アクティビティ体験後のこどもは表情や会話で達成感を表現。保護者やスーパーバイザーからのポジティブなコメントはこどもの自立・自信を促進し、日常生活における非認知能力へと越境。
<図1:キッザニアでの非認知能力の醸成プロセス>
【研究2】キッザニアから渡り行く非認知能力の広がり(定量調査)
調査時期:2020年11月
調査協力者:過去1年半の間でキッザニアに来場したことのある保護者とこども1,292組
調査方法:Webアンケート調査
調査結果のポイント
・定性調査の結果から導き出したパスモデルを統計分析した結果、保護者のサポート(見守りや体験の共有)およびスーパーバイザーからのポジティブな声かけが「キッザニア」における自立に関与する傾向。そこから生活全般における自己肯定感や自己効力感が育成され、創造力および協調性という非認知能力の成長を促進。<パスモデルは、図2を参照>
・日常生活に関する自由記述欄のテキストを自己効力感の高・中・低でグループ分けをして対応分析したところ、自己効力感が中・高グループほど苦手なことにチャレンジするなど主体的・協調的な活動が増加する傾向。
・キッザニアで醸成されると保護者が考えている非認知能力は、回答数順にチャレンジ精神・行動力・自立心が上位3位を占めた。
<図2:キッザニアでの体験から日常生活に至る非認知能力の影響関係を示したパスモデル>
<参考資料>
■ キッザニア白書について
KCJ GROUPでは、大学・大学院などの教育機関、専門家の皆様と「キッザニア」に関する様々なテーマで共同研究を実施し、研究結果を「キッザニア白書」としてまとめています。 過去のキッザニア白書は こちらよりご覧いただけます。
■ KCJ GROUP/キッザニアについて
KCJ GROUPは、3歳から15歳までのこども達の職業・社会体験施設「キッザニア東京(2006年10月開業)」「キッザニア甲子園(2009年3月開業)」の企画・運営をしています。「キッザニア」は、現実社会の約2/3サイズの街並みに、実在する企業が出展する約60のパビリオンが立ち並び、約100種類の仕事やサービスが体験できます。キッザニアのコンセプトは、「エデュケーション(学び)」と「エンターテインメント(楽しさ)」を合わせた『エデュテインメント』。こども達が好きな仕事にチャレンジし、楽しみながら社会のしくみを学ぶことができる「こどもが主役の街」です。
キッザニア東京
キッザニア甲子園
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