
令和7年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞
~混雑度推定によるトラフィック制御技術でモバイルインターネットの普及に貢献~
2025年4月8日
KDDI株式会社
株式会社KDDI総合研究所
KDDIとKDDI総合研究所は2025年4月8日、令和7年度 科学技術分野の文部科学大臣表彰において、両社が実施した、「ネットワーク連動型モバイル端末トラヒック制御技術(以下 本技術)(注1)の開発」が「令和7年度 文部科学大臣表彰 科学技術賞 開発部門」を受賞したことをお知らせします。
<本技術が搭載された端末(例)>
文部科学省による科学技術分野の文部科学大臣表彰は、日本の科学技術水準の向上に寄与することを目的とし、科学技術に関する研究開発、理解増進などにおいて顕著な成果を収めた個人やグループを表彰するものです。
本技術は、3G携帯電話向けサービスに対応した機種に搭載され、現在普及している定額制サービスの実現に貢献してきました。また、4G LTEシステムの技術標準規格にも必須の技術として採用され、幅広く普及しています。本技術により、限られたネットワーク資源を有効に活用し、モバイルインターネットを快適に利用することが可能になりました。この実績が評価され、このたびの受賞となりました。
■ 本技術の概要
通信機器がネットワークの混雑度を推定しながら自律的にトラフィック量を制御することにより、多数の通信機器が同時に通信を行う際のトラフィック輻輳(注2)を回避することができます。通信機器内でネットワークの混雑度を推定する期間と、その結果に基づいて通信速度を制限する期間を交互に設けることで、混雑度に応じたきめ細かい制御を実現します。これにより、限られた通信資源を多くのお客さまに有効に利用していただく仕組みです。また、この機能は通信機器側のみに実装し、ネットワーク側の機能変更を必要としない特長があります。
また、IoT時代のトラフィック制御技術として進化を続けており、5Gにおいても、欧州電気通信標準化機構ETSI(注3)に対して必須特許の宣言を行っています(注4)。あらゆるモノがインターネットとつながるIoT化が進む中、引き続き限られたネットワーク資源を有効活用するための技術としての貢献が期待されています。
<ネットワークの混雑度推定に基づくトラフィック制御の仕組み>
■ 受賞者
受賞内容 | 所属 | 氏名 |
---|---|---|
文部科学大臣表彰 科学技術賞 開発部門 | KDDI株式会社 執行役員 株式会社KDDI総合研究所 代表取締役会長 | 中村 元 |
株式会社KDDI総合研究所 | 岸 洋司 | |
株式会社KDDI総合研究所 ※本技術開発時点 | 北原 武 | |
KDDI株式会社 | 小頭 秀行 | |
KDDI株式会社 | 稗圃 泰彦 |
KDDIとKDDI総合研究所は、今後もお客さまが快適にサービスをご利用いただける環境を提供するため、新たな技術の創出に取り組んでいきます。
(注1)KDDIとKDDI総合研究所にて関連特許を取得済み(特許4577220、4831605)です。
(注2)ネットワーク機器や回線など特定の箇所に通信が集中すること。
(注3)ヨーロッパにおける電気通信、放送、関連分野の通信技術の標準を策定する標準化団体。(ETSI:European Telecommunications Standards Institute)
(注4)米国特許US7974203B2
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