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2025 John Tyndall Award受賞について

2024年12月25日
株式会社KDDI総合研究所

株式会社KDDI総合研究所は、鈴木 正敏博士(公立大学法人公立千歳科学技術大学院大学副学長兼教授)がKDDI在職中に取り組んだ、光デバイス、システム、ネットワークに関する先駆的かつ革新的な研究と実用化への貢献により、2025 John Tyndall Awardを受賞したことをお知らせします。

 

業績名: For pioneering and seminal contributions to large capacity long-haul optical communication systems including integrated light sources, dispersion-managed soliton, WDM submarine cable systems, and spatial multiplexing.
(半導体集積光源、分散マネージドソリトン光通信方式、波長多重光海底ケーブルシステム、光空間多重技術など、大容量長距離光通信システムへの多大な影響力のある先駆的で独創的な貢献)

 

 

 

 

IEEE Photonics SocietyのHPから

 

 

John Tyndall Award は、光ファイバー業界における最高の栄誉の1つであり、光散乱による現象を最初に発見した19世紀の科学者、ジョン・ティンダルにちなんで名付けられました。光ファイバー技術に対して先駆的、非常に重要、継続的な技術、またはリーダーシップの多大な貢献をした個人に対し贈呈されます。日本人では鈴木博士が11年ぶり5人目の受賞となります。

 

鈴木博士は、KDDI在籍中、光デバイス、システム、ネットワークに関する先駆的かつ革新的な研究を通じて、長距離大容量光通信システムの持続的な発展に多大な貢献をしました。研究の主な成果としては、高速光通信に必要な半導体集積回路EML(Electroabosorption Modulator integrated Laser)の初実証や、高速長距離光伝送を可能とする分散マネージドソリトンの発明などが挙げられます。鈴木博士が提案・実証した分散マネージドソリトンは、高速光信号を用いる波長多重長距離伝送を実現可能とした大容量光通信システムの必須技術です。この技術により、ATT-SSI(後のTE-SubCom)とKDDIは、10,000kmにわたる10Gbit/sベースのWDM伝送に初めて成功しました。これは後に、高度な分散マネージドファイバーによる大洋横断伝送で1Tbit/sに拡張されました。これらの技術は、Japan-USケーブルやTAT-14ケーブルなど、テラビット/s級太平洋横断・大西洋横断海底ケーブルのほとんど、またアジア地域の海底ケーブルシステムに適用されています。その結果、世界のインターネットと通信インフラを支え、その成長を支える大洋横断海底ケーブルシステムの容量は10年以内に200倍に拡大されました。

 

なお、授与式は、2025年3月30日から4月2日まで米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されるOptical Fiber Communication Conference and Exhibitionで行われます。

 

 

参考情報:
IEEE

OPTICA

OPTICA(Masatoshi Suzuki)

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。