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- 先端技術研究所
人間心理理解AIに関する海外最先端研究機関との共同研究プロジェクト開始
～人の行動と心の因果関係を理解し、人に共感するAIの実現に向けて～
2022年10月4日
株式会社KDDI総合研究所
株式会社KDDI総合研究所（本社：埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長：中村 元、以下「KDDI総合研究所」）は、AIが人の心を深く理解し共感することを可能とする、因果推論分野の世界的権威であるカーネギーメロン大学（アメリカ合衆国ペンシルベニア州ピッツバーグ）のPeter Spirtes教授およびKun Zhang准教授との共同研究を、2022年9月から開始しました。本共同研究を通して、人間心理理解AIを実現するために重要となる因果推論技術に関する最先端の研究成果創出を目指します。
近年、ライフスタイルや価値観の多様化に伴い、教育や就労、余暇の充実など人生のさまざまなシーンにおいて、AIを搭載したロボットやエージェントが一人ひとりに寄り添い、行動を提案し、人の成長を促すようなパートナーとしての役割を果たすことが期待されています。現在のAIは表面的に観測可能な人の行動に基づいた提案を行うことはできますが、行動の背景にある人の心理を考慮できていないため、提案に対する共感が得られず、受け入れられないという課題があります。AIの提案を受け入れてもらうためには、AIが人の表面的な行動のみならず、その行動に至った出来事や人の欲求、性格など、行動と心の因果関係を踏まえて適切に人へ働きかけることが重要となります（注1）。
今回の共同研究プロジェクトでは、表出する行動と、直接観測できない心理の複雑な因果関係を、表情や身振り手振り、対話内容などから因果推論により推測することを目指します。特に、現在の因果推論技術では、与えられた事前知識の範囲でのみ因果関係を推測することができましたが、共同研究では事前知識に頼ることなく因果関係を発見可能な因果表現学習技術に着目し、同技術の最新の知見を取り入れ、人の行動と心の複雑な因果関係の解明に取り組む予定です。
KDDI総合研究所は本プロジェクトの成果を活用し、AIが人のパートナーとして寄り添い、共生する社会の実現を目指します。
■ 共同研究先情報
・研究グループ：カーネギーメロン大学 Department of Philosophy
・教 員：Peter Spirtes教授、Kun Zhang准教授
・研究分野：因果推論
■ KDDI総合研究所の取り組み
KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。
両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーとそれらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。
今回のプロジェクトは7つのテクノロジーの中の「AI」に該当します。
■ 参考
2020年10月26日報道発表
海外最先端の研究者との共同研究プロジェクトの開始
～次世代社会構想KDDI Accelerate 5.0の実現に向けて～
（注1）例えば、ユーザーが勉強中にスマートフォンを触って勉強が進んでいないとき、AIが単に勉強をするように促すだけではユーザーの共感を得ることができません。ユーザーは実はスマートフォンを触りたくないと思っていること（欲求・信念）、しかし、勉強につまずいていてストレスを感じていること（環境）、さらには問題を先送りにしがちな性格であること、などをAIが理解することで、「問題を誰かに相談する」ように促すことが有効と判断することができます。
※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。