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ロボットを活用した新しいサービスを共創する「ロボット工房」を開設

~通信制御とロボット制御の調和によるロボットフレンドリーな社会を目指して~

2021年9月8日
株式会社KDDI総合研究所

株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下、KDDI総合研究所)は、2030年を見据えた新たなライフスタイルを提案する調査・応用研究拠点「KDDI research atelier(リサーチアトリエ)」に、パートナーとの共同によるロボットの通信やプラットフォームに関連する技術の評価・実験を通し、ロボットを活用したサービスの創出を加速する「ロボット工房」を、2021年9月8日に開設しました。
「ロボット工房」では、エンド・ツー・エンド(以下、E2E)ネットワークスライシングによるロボット向け通信帯域が確保された評価ネットワークや低遅延映像伝送、ネットワーク運用見回りロボットなど、KDDI総合研究所の先端技術を使った実証が可能です。

 

<ロボット工房のネットワーク構成>

 

 

少子高齢化による労働力人口の減少や作業負荷増大への対応として、ロボットの活用が期待されています。将来、ロボットが社会で様々な役割を果たすには映像伝送やロボットの動作制御のために通信が不可欠ですが、ロボットの増加に伴う通信の輻輳が懸念されます。輻輳を回避するには、通信状況に応じて帯域をオンデマンドでコントロールすることが有効で、ロボット制御に通信制御を含めることが必要となります。
KDDI総合研究所は、通信とロボットが調和するロボットフレンドリーな社会を目指し、今後、「ロボット工房」を利用していただくロボット製造や販売に携わる企業およびロボットユーザー企業を募り、共に研究開発を進めていきます(注1)。

 

なお、KDDI総合研究所は、2021年9月9日から開催される「World Robot Summit 2020 愛知大会」(注2)のKDDIブース(バーチャル展示)で「ロボット工房」を紹介します。

 

「ロボット工房」の詳細は、別紙をご参照ください。

 

 

 

 

<別紙>

 

■ 「ロボット工房」について

 

「ロボット工房」では、以下の環境・技術を利用して、ロボットのユースケース考案から、5G時代のロボット制御やその制御を管理するプラットフォームの設計・開発および評価や実験が可能です。

 

1)E2Eネットワークスライシングによる、ロボット向け通信帯域が確保された評価ネットワーク

 

KDDI research atelier(東京都港区)、KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)、パブリッククラウドの3拠点と接続し、ロボットに必要な制御機能(計算プロセス)を分散展開する環境を提供します。これにより、通信を活用するロボット制御の多様な検証が可能となります。5Gで実現が期待される通信リソース制御(オンデマンドでの通信帯域・遅延の保証)(注3)や、MEC(Multi Access Edge Computing)を活用する低遅延通信を模擬して、将来のネットワーク環境を先取りした実証が可能です。

 

 

 

<通信制御のイメージ>

 

 

2)低遅延映像伝送

 

ロボットと操縦者間の映像伝送において、ロボット側のカメラから操縦者側のディスプレーに表示されるまでのE2E遅延を縮小する、超低遅延映像伝送の技術(注4)を活用した検証が可能です。これにより視覚と身体感覚との操作のずれをほぼ解消することができ、動きの速い対象物に対して正確な操作が可能になると共に、映像伝送の遅延が原因の一つとされる操縦者のVR酔いが軽減され長時間の遠隔操作が可能となります。

 

 

 

<低遅延映像伝送イメージ>

 

 

3)ネットワーク運用見回りロボット

 

KDDIのネットワークセンター(以下、NC)の運用管理業務を支援する見回りロボットを開発しています。見回りロボットは、NC内の機器設定や交換、配線などの作業の立ち会いを代行する「立会い支援」や、手動操作または自動でNCの設備状況などの確認を行う「遠隔操作・監視」、ロボットに搭載されたセンサーにより異常を検出するための定期的な「自動巡回」といった能力を備えています。ロボット制御の実証の対象として利用していただけます。

 

 

 

<ネットワーク運用見回りロボットの概要>

 

 

「ロボット工房」で利用できる環境・技術は、KDDI総合研究所の最新の成果を取り込み、順次拡大していきます。

 

「ロボット工房」の利用に関するご希望や質問は、下記メールフォームよりお問い合わせください。

 

お問い合わせ先

 

 

■ KDDI総合研究所の取り組みについて
KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。
両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーと、それらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。今回の取り組みは7つのテクノロジーの中の「ネットワーク」「プラットフォーム」「ロボティクス」に該当します。

 

 

(注1)募集は2021年9月8日から開始します。パートナーの「ロボット工房」利用開始は、2022年4月以降を予定しています。
(注2)World Robot Summit 2020 愛知大会(期間:2021年9月9日~12日)
(注3)「世界初、5G本格展開時代に向けた基地局ネットワークスライシング技術の開発と実証に成功」
(注4)「遠隔操作ロボット用映像伝送技術で50ミリ秒の超低遅延映像伝送を実現!」

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。