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イチゴの出荷における温度データの検証に関わる実証実験の実施

安心安全なサプライチェーンの実現に向けて

2021年2月1日
株式会社KDDI総合研究所
沖縄セルラー電話株式会社

株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下「KDDI総合研究所」)は、サプライチェーンの信頼性向上を目的として、サプライチェーン上のデータのセキュリティが保たれていることを自動で検証する仕組みを研究開発しており、本仕組みを沖縄セルラー電話株式会社(本社:沖縄県那覇市、代表取締役社長:湯淺英雄、以下「沖縄セルラー」)が実施しているイチゴの出荷に適用し、2021年2月1日から28日まで、輸送中に取得した温度情報が適切に管理されていることを検証する実証実験を行います。

 

 

 

 

【背景】
サプライチェーンに対するセキュリティ脅威が増加しており、情報漏えいや改ざんによって製品・商品・サービスの安全性が損なわれる危険性が指摘されています。これらの脅威に対抗するため、サプライチェーン全体にわたってセキュリティが保たれていることを第三者が検証し確認できる仕組みが求められています。食品サプライチェーンにおいても、商品が適切に管理・配送されていることの確認する枠組みを構築することで、品質保証の一助とし商品価値を高めることが求められています。

 

【実証実験の概要】
KDDI総合研究所は、内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/IoT社会に対応したサイバー・フィジカル・セキュリティ(管理法人:新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))において、サプライチェーン上の様々なデータがセキュリティ要件を満たしていることを遠隔かつ自動で確認可能な仕組みを研究開発しています。セキュリティ要件を詳細に記述したプロファイルを作成し、データの取り扱い時に収集したログをプロファイルに従って監査することで、対象データの取り扱いがセキュリティ要件を満たしていることの確認できるフレームワークを実現しています。一方、沖縄セルラーは、イチゴのパッケージに取り付けたセンサーで出荷地点と輸送中の温度を収集するシステムを活用し、出荷地点と輸送中の温度を確認する実証を行っています。
今回、沖縄セルラーで収集した位置情報と温度情報に対して、KDDI総合研究所が研究開発している仕組みを応用し、位置情報と温度情報の取り扱いが要件を満たしていることを検証する実証実験を実施します。本実証実験では、収集した位置・温度情報に異常値がないことを第三者が検証し、また購入者等が自らスマートフォン等でその検証結果を確認できることを実証します。

 

【今後の展望】
本実証によって抽出した課題を、研究開発成果の実用化に向けた取り組みに活用していきます。また、研究開発成果は食品以外にも様々なサプライチェーンに適用可能であるため、今後も、様々な実証実験を実施し、実用化に向けた取り組みを加速していきます。

 

 

<KDDI総合研究所の取り組み>
KDDIとKDDI総合研究所は、経済発展と社会的課題の解決を両立する持続可能な生活者中心の社会「Society 5.0」の実現を加速する、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定しました。両社は、ネットワーク、プラットフォーム、ビジネスの3レイヤの環境整備を進めると共に、3つのレイヤを支える先端技術となる7つの分野のテクノロジーと、それらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。
今回の成果は7分野のテクノロジーの中の「セキュリティ」に該当します。

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。