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世界初 最新の映像符号化方式H.266|VVC対応のリアルタイムコーデックを用いた4Kライブ伝送の実証実験に成功

~より臨場感のある映像を生活スタイルにあわせて楽しむために~

2020年12月23日
株式会社KDDI総合研究所

株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下「KDDI総合研究所」)は、最新の国際標準映像符号化方式H.266|VVC(Versatile Video Coding、以下「VVC」)(注1)に対応したリアルタイムコーデックシステムを用いた4Kライブ伝送の実証実験に世界で初めて成功しました(注2)。これまではブロードバンド回線の利用が一般的であった4Kライブ中継において、本実証実験でモバイル回線での実現性を確認できたことで、受信会場の設置が容易になると期待されます。例えば、全国のドームシアター向けに、イベントの高精細映像を一斉配信したり、スマートフォンやタブレット向けのサービスとして展開したりするなど、お客様がより身近にイベントに参加できる機会の創出が可能となります。

 

【背景】
本実証実験は、2020年9月1日にKDDI総合研究所から発表した「最新の映像符号化方式H.266|VVCに対応した4Kリアルタイムエンコーダ」(注3)を活用した取り組みです。

 

【実証実験の概要】
2020年12月22日に原宿(東京都渋谷区)のスタジオで音楽ライブ(無観客)を実施し、会場に設置した4K VRカメラの映像をH.266|VVC対応の4Kリアルタイムエンコーダ(以下「本エンコーダ」)で圧縮し、モバイル回線を経由して、汐留(東京都港区)のドームシアターに安定的にライブ伝送できることを実証しました。

 

本エンコーダは、従来方式のH.265|HEVC(High Efficiency Video Coding、以下「HEVC」)に比べて映像の画質を維持したままデータ量を約半分に削減できるため、モバイル回線であっても安定的に高精細映像が伝送できます。

 

 

 

<実証実験のイメージ>

 

 

【今後の展望】
本実証実験を通じて、音楽ライブ、スポーツなどの4Kライブ映像を、TVやスマートフォンはもちろん、ドームシアターにモバイル回線を通じて安定的に伝送できることを確認しました。今後も引き続き、高解像度・高フレームレートへの対応、更なる圧縮効率の向上など、より臨場感のある映像を生活スタイルにあわせて楽しむための取り組みを進めます。

 

本実証実験は、総務省の「戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)国際標準獲得型」(JPJ000595)における「多様な用途、環境下での高精細映像の活用に資する次世代映像伝送・通信技術の研究開発」の委託を受けて実施した研究開発の成果です。

 

 

(注1)VVCは、現在4K/8K放送やインターネット経由の映像配信サービスで広く使用されている国際標準の映像符号化方式H.265|HEVCに対して、2倍の映像圧縮性能を達成する映像符号化方式であり、国際標準化機関のITU-TとISO/IECで2020年8月に規格化された。
(注2)解像度に関係なく、VVCリアルタイムコーデックを用いて商用回線を経由してライブ映像伝送した実験例としては世界初。(2020年12月22日時点、KDDI総合研究所調べ)
(注3)世界初 最新の映像符号化方式H.266|VVCに対応した4Kリアルタイムエンコーダを開発

 

 

【補足資料】
概要図、用語説明など

 

➢エンコーダ:映像符号化を担うシステムを指します。映像符号化は、動画像信号を限られた帯域や容量で伝送や蓄積するために利用する圧縮方法で、画像内や画像間の類似性を利用してデータ量を削減しています。例えば2018年から開始されている高度BSでの新4K/8K衛星放送では国際標準符号化方式であるH.265|HEVCが利用されており、もともと約7.5Gbps(Gigabit per second)必要とされる4K映像を30Mbps程度にまで圧縮して伝送しています。

 

➢デコーダ:エンコーダが出力した圧縮データを受信し、映像に復号するシステムを指します。映像符号化方式に対応した復号処理を用意する必要があり、一般に方式を跨いだ相互接続性は保証されません。

 

➢H.265|HEVC:ITU-TとISO/IECの各下部組織の合同により2013年に規格化された映像圧縮符号化標準で、国内の放送用途ではARIB STD-B32第3部で規定されており、新4K/8K衛星放送などの運用規定にも採用されています。

 

➢リアルタイムエンコーダ:例えば30fps(frame per second)の4K映像を対象とする場合、30fps以上の速度で符号化処理できるものを指し、映像のライブ伝送に必須の機器となります。

 

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。