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無線技術の開発により移動ロボットの遠隔操作の安定化を実現

2017年5月17日
株式会社KDDI総合研究所

株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中島康之、以下「KDDI総合研究所」)は、大和ハウス工業株式会社(以下「大和ハウス工業」)が開発した狭小空間点検ロボット「moogle(モーグル)(注1)」に適用可能な、遠隔操作の安定化を実現するための無線切断の予測技術を開発しました。

本成果は、5月24日(水)~26日(金)に東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレステクノロジーパーク2017」のKDDI総合研究所ブース(小間番号15-4-6)で展示します。

 

近年、人の立ち入りが困難な現場を点検するなどの用途で、無線を使って遠隔操作する移動ロボットが活躍しています。大和ハウス工業では「moogle」を開発・販売しており、主に床下のような狭小空間の点検に活用しています。「moogle」は無線LANアクセスポイントを搭載し、操作者が「moogle」から受信した映像を見ながら手元のコントローラにより無線で遠隔操作します。しかし、無線が安定して届かなくなると映像が遅れる、操作がしにくくなるという課題があります。安定した無線品質を確保するためには、対象となる建物の無線の強さの変化を事前に把握しておく必要がありますが、建物毎に構造物(例:壁、ドア)の配置などが異なるため、毎回の事前の測定が必要となり多大な手間を要します。

 

 

 

<これまでの課題>

 

 

今回、KDDI総合研究所の無線技術のノウハウにより、操作中の無線の強さの変化と「moogle」の操作の履歴のみから、数秒先の無線の切断予測を行うためのアルゴリズムを開発しました。予測された結果は、「moogle」のコントローラの画面に表示して操作者に注意喚起を行います。これにより、初めての現場でも、事前の無線の強さの測定などの準備は全く不要になり、通常の遠隔操作を行うだけで、切断を含めた無線接続の不安定化を回避して「moogle」を利用することができるようになりました。

 

 

 

<成果の適用イメージ>

 

 

IoT社会の実現に向けロボットの活用が期待される中、KDDI総合研究所はお客様がより快適により便利にご利用いただけるように、5Gの取り組みをはじめ、より先進的な無線技術の研究開発を進めていきます。

なお、本内容はKDDI総合研究所の無線技術と大和ハウス工業 総合技術研究所のロボット技術を用いた共同研究によるものです。

 

 

(注1) moogle(モーグル)は大和大和ハウス工業が開発・販売している移動型の狭小空間点検ロボット

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。