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Android端末のロック解除を実現する掌紋認証アプリを開発~10月よりGoogle Play ・au Marketで無料配布開始~

2012年10月1日
株式会社KDDI研究所

 KDDI研究所は、掌紋を使用した生体認証(掌紋認証)によるAndroid端末向けロック解除アプリを開発しました。本アプリでは、生体認証のための特殊デバイスが不要で、端末に搭載されているカメラにてのひらを合わせるだけで、登録・照合を高速に行うことができます。本アプリを利用することにより、パスワード認証等に代わる安全なスマートフォンの利用が可能となります。なお、本アプリに使用されている掌紋認証アルゴリズムは国立大学法人東北大学(宮城県仙台市、総長: 里見進/以下: 東北大学)との共同研究の成果です。

 

【背景】

 スマートフォンの不正使用や個人情報の漏洩を防止するために、暗証番号やパスワードなどに代わる本人認証技術として、生体認証技術への期待が高まっています。一方、スマートフォンや携帯電話において既に実用化されている指紋認証や顔認証などの生体認証では、特別なデバイスの必要性や認証精度の不十分さの問題がありました。導入コストとセキュリティの両面から、特別なデバイスが不要で、高い認証精度を有する生体認証技術の実現が急務でした。

 

【今回の成果】

 このたび、KDDI研は、Android端末において、端末搭載のカメラを使用した掌紋認証による端末ロック解除とアプリロック解除の各アプリを開発しました。一般的に、掌紋認証は指紋認証などと同程度の高い認証精度を有する生体認証技術ですが、端末搭載のカメラでは、非接触で固定せずに撮影されるため、てのひらの位置ずれや歪みの問題が生じます。本アプリに使用されている掌紋認証アルゴリズムには、東北大学から提供を受けた帯域制限位相限定相関法*1による照合技術に加え、てのひらの位置や歪みを登録時の状態に合わせる補正技術やAndroid端末向けに軽量化した前処理技術が適用されているため、高い認証精度*2を有するとともに、高速な登録・照合を実現することができます。また、背景や照明などの撮影環境の変化にも対応することができ、端末搭載のフラッシュライトにより、暗い場所でも正しく認証可能です。そのため、本アプリは安全かつ低コストに加えて、使いやすいアプリです。

 

【今後の展望】

 明日10月2日(火)より、Google Playにて、今回開発した掌紋認証アプリ“てのひらアンロック 『てアロ』”端末版・アプリ版の無料配布を開始します。au Marketでは10月上旬の公開を予定しています。また、10月2日(火)~6日(土)に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されるCEATEC JAPAN 2012のKDDIブース内にて“てのひらアンロック 『てアロ』”端末版を出展します。

 

以上

 


*1 位相限定相関法は東北大学とアズビル株式会社(旧:株式会社山武)が共同開発しています。

*2 被験者を対象に本アプリの評価実験を行ったところ、登録した本人がロック解除できる割合98.75%(本人拒否率1.25%)、登録した本人以外がロック解除できる割合(他人受入率)0.00%を達成しました。

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