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超高速共通鍵暗号アルゴリズム「Rocca-S」が世界最速となる2Tbpsの処理性能を達成

2023年9月19日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、兵庫県立大学と共同で開発した超高速共通鍵暗号アルゴリズム「Rocca-S」について、このたび、ハードウェア実装による並列化によって、世界最速(注)となる2Tbpsの処理性能を達成しました。

 

【研究概要】
Beyond 5G/6Gでは100Gbps超の通信速度を実現することを目標に研究開発が進められており、共通鍵暗号もBeyond 5G/6Gの通信速度と同等以上の処理性能が求められています。また、次世代のサービスを安全に実現するためには、量子コンピュータに対しても耐性のある、高い安全性を持つ暗号アルゴリズムが求められています。「Rocca-S」は、これら2つの要件を満たす暗号アルゴリズムです。
今回、ハードウェア実装による並列化によって回路規模あたりの処理を最適化し、 Beyond 5G/6Gで目標とされている通信速度を大幅に超える2Tbpsの処理性能を実現しました。これによって、無線区間よりもさらに高速性が求められるBeyond 5G/6Gコアネットワークへの適用可能性も高まります。本件に関連した研究成果について、2023年9月25日~29日にハーグ(オランダ)で開催される「ESORICS(European Symposium on Research in Computer Security)2023」で発表する予定です。今後は、「Rocca-S」の普及を目指します。

 

なお、本研究は、総務省の「電波資源拡大のための研究開発(JPJ000254)」における委託研究「安全な無線通信サービスのための新世代暗号技術に関する研究開発」の成果の一部です。

 

 

 

(注)NanGate 15nmライブラリで実装した256ビット鍵に対応した認証暗号として(2023年9月19日現在、KDDI総合研究所調べ)

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。