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調査レポート R&A「リテールトランスフォーメーション 小売がIDビジネスになる 〜リセール、サブスク、受注生産、リペア」

2023年3月30日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、国内外のICT市場動向、情報通信政策などについて多角的な視点から調査したレポートR&Aを発行しました。

 

タイトル:リテールトランスフォーメーション 小売がIDビジネスになる 〜リセール、サブスク、受注生産、リペア

執筆者 :沖 賢太郎

 

サマリー

今、世界の様々な企業が、リセール、サブスク、受注生産、リペアなどの分野へ進出している。背景にあるのは、顧客の価値観変化や事業環境の変化である。企業にとって必須となりつつあるこれら事業に共通するのは、企業と顧客の継続的な関係性の中で効果的に提供されるという点だ。そして、同一顧客との継続的なインタラクションが発生するビジネスを効率よく拡大していくには、顧客IDの利用が不可欠になる。多くの企業がIDをベースとして、これらの領域で事業を開始している。小売はIDビジネスへ向かっている。
リセール : ラグジュアリーブランドからファストファッションまで多くの企業がリセールに進出している。顧客が過去に購入した商品を効率よく中古出品させる手段としてIDが使われている。
サブスク : サブスクも、顧客と企業の直接的かつ継続的なつながりの上で提供されるIDビジネスだ。新興ブランドのみならず、老舗百貨店や大手小売企業もサブスクに進出している。
受注生産 : アパレル業界の大きな課題である余剰在庫を減らす方法が受注生産だ。これも顧客と企業が直接つながっていればやりやすい。ブランド各社に加えて、ファッションポータル(Farfetch、ZOZO)も受注生産を志向し始めている。
リペア : リペアは、商品を長く使ってもらうことでブランドと顧客の長期の関係性を築くためのものでもある。アパレル製造小売業の世界トップ3社もリペアを開始。近接サービスとしてメンテナンスやリメイクが並行して提供されることもしばしばだ。
上記の事業は単体黒字化が難しい場合もあるだろう。だからこそ単体ではなく、複合的に捉えていくことが必要になる。様々な自社サービスの間を顧客に回遊してもらう際に基点となるのがIDだ。IDによって事業間を橋渡ししていくことで新たな機会につながるのではないだろうか。

  

 

地域:米国 日本

 

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