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PPM(Privacy Preference Manager)に関わる ISO/IEC国際標準発行

2022年10月20日
株式会社KDDI総合研究所

2022年9月26日から10月6日に行われたISO/IEC JTC1 SC27(注1)WG5会合において、PPM(Privacy Preference Manager、以下「PPM」)の運用ガイドラインなどを規定したISO/IEC 27556:2022 Information security, cybersecurity and privacy protection — User-centric privacy preferences management frameworkについて最終確認が行われ、国際標準として発行されました。これにより、PPMの運用指針が確立され、PPMが国際的なプライバシー保護のフレームワークとして普及し、ユーザーが安心してデータを活用できるデジタル社会の実現につながることが期待されます。

 

 

 

<PPMの概要>

 

 

【概要】
PPMは、KDDI総合研究所が2012年から研究を進めてきたものであり、データ提供者のプライバシーを保護するために、データの提供先などをデータ提供者自身が設定し制御することを可能とする仕組みで、既にITU-T SG17(注2)やoneM2M(注3)において、国際標準化文書に採用されています。ISO/IECにおいては、PPMにより、お客さま一人一人に最適化された「ユーザーセントリック」なデータ利活用が可能となることが世界各国の支持を得て、そのフレームワークならびに運用ガイドラインについて、2018年から国際標準化が進められてきました。2022年9月に最終国際規格案(FDIS)の是非を問う投票において全会一致で承認され、この度、10月の会合での最終確認を経て国際標準として発行されました。

 

KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーと、それらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進しており、セキュリティ/プライバシー分野における研究開発の一環として「お客さまに寄り添う」プライバシー保護技術に関する研究に取り組んでいます。本国際標準文書の発行により、お客さまのプライバシーを守るPPMという仕組みが世界中に拡がることを期待しています。

 

 

 

(注1)ISO/IEC JTC1 SC27:
ISOとIECが合同して 情報技術分野の国際標準を制定するための組織。SC27はIT Security techniquesの国際標準化を担当。
(注2)ITU-T(ITU Telecommunication Standardization Sector)SG17(Study Group 17)
情報通信分野技術の国際標準化を担う国連の専門機関。SG17はセキュリティ分野の勧告を作成する。
(注3)oneM2M
7つの標準化団体が2012年に結成したM2Mに関するグローバル標準仕様策定プロジェクト。

 

※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。