KDDI research atelier

あらゆる人の読書体験を広げるために。KDDI総合研究所とオトバンク、オーディオブック制作過程のDX化に関する共同研究契約を締結

～さらなる市場拡大を目指しオーディオブック制作の効率向上を目的としたプラットフォームを開発・検証～

2022年4月26日
株式会社KDDI総合研究所
株式会社オトバンク

株式会社KDDI総合研究所（本社：埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長：中村元、以下「KDDI総合研究所」）と日本一のオーディオブック書籍ラインナップ数（注1）を配信する「audiobook.jp」を運営する株式会社オトバンク（東京都文京区、代表取締役社長：久保田裕也、以下「オトバンク」）は、2022年4月26日、オーディオブック制作のデジタルトランスフォーメーション（以下「DX」）に関する共同研究契約を締結しました。両社は、オーディオブック制作の効率向上を目的に、オーディオブックに特化した、版権者と制作者をマッチングする制作管理プラットフォーム（以下「本プラットフォーム」）を開発し、実証実験を行います。また、本プラットフォームの実証実験に参加していただく出版社、制作会社、声優・ナレーター（所属事務所を含む）と共に、効果検証に取り組んでいきます。これらの取り組みにより、オーディオブック市場の活性化を促し、誰もがより手軽に本を楽しめる社会の実現を目指します。

■ オーディオブックとは
オーディオブックとは、声優やナレーターが書籍を読み上げた音声コンテンツです。耳だけで読書できるため、ランニング中、電車や車での移動時間、家事の最中など、生活のあらゆるシーンで本を楽しめます。文字を読むことが難しい方のバリアフリーを促すことも可能で、紙の書籍、電子書籍に続く、第三の書籍として期待されています。

▼ 【オーディオブックはじめてガイド】「まるわかり！オーディオブック」

■ 共同研究の背景
世界のオーディオブックの市場規模は2019年に26.7億ドルに達しており、2020年から2027年にかけて年間24.2%の成長率で拡大すると予測されています（注2）。国別ではアメリカと中国の利用が多くなっています。2019年時点の調査によると、アメリカでは12歳以上の生活者の5割がオーディオブックを聞いた経験があります（注3）。また、中国では18歳以上の生活者の3割超にオーディオブックを聞く習慣があります（注4）。日本においても、オーディオブックの利用が拡大しており、コロナ禍の在宅期間では目が疲れない情報インプット手段として注目を集めています（注5）。

日本オーディオブック市場のさらなる拡大を推進すべく、オーディオブックの制作品質に実績のあるオトバンクと、多様な業界でのDX化を促し、新しいライフスタイルを提案・実証するKDDI総合研究所が共同で、オーディオブック制作過程のDX実証実験に取り組むこととなりました。

■ 本プラットフォームの目的と特徴
本プラットフォームは、DXによるオーディオブック制作管理のワンストップ化、受発注手続きのシステム処理、版権者（出版社、作家、他の版権者を含む）と制作者（声優、制作会社、他の制作者を含む）のマッチング機能を実現することを目的とします（図1）。

図1：共同研究で開発するプラットフォームのイメージ

本プラットフォームは、各プレイヤーがアカウント申請するにあたり、登録が必要となる情報を定め審査を行います。また、利用者アカウントの与信管理や進捗共有、品質管理などの機能を具備し、利用者とコンテンツの質を確保します。オープンかつ信頼性が高いプラットフォームを構築することで、より多くの出版社や制作会社のオーディオブック市場への参入を促し活性化を図るとともに、声優・ナレーターの需要拡大を促進します。

■ 実証実験の概要
1）実施時期
2022年5月中旬から段階的に実施

2）検証内容
本プラットフォームを用いたコンテンツ制作の効率向上・品質確保・リスク回避の効果や改善点を検証します。具体的には、アカウント申請時の情報登録・取り扱いの許容度、アカウントの審査条件や与信基準の妥当性、コンテンツ制作に必要なオンライン受発注機能や進捗管理機能による工数削減・品質確保の効果を検証します（図2）。

図2：実証実験の検証内容

3）対象者
出版社、制作会社、声優・ナレーターとその所属事務所
※実験に参加いただく具体的な企業・団体や個人は、今後の協議の上、決定します。

■ 共同研究における各社の役割

KDDI総合研究所	・本プラットフォーム要件定義、実験参加者招致・本プラットフォーム構築、プロセス管理、結果分析
オトバンク	・本プラットフォーム要件定義、実験参加者招致・本プラットフォーム運営機能の評価

KDDI総合研究所

・本プラットフォーム要件定義、実験参加者招致

・本プラットフォーム構築、プロセス管理、結果分析

オトバンク

・本プラットフォーム要件定義、実験参加者招致

・本プラットフォーム運営機能の評価

■ KDDI総合研究所執行役員 KDDI research atelier シンクタンク部門長村上陽亮のコメント
オーディオブックは読書の新しい形として、高齢者や障がいのある方含め、幅広い方々に利用されることが期待されるサービスです。文化の発展とバリアフリーを掲げて、オーディオブックにいち早く取り組まれてきたオトバンク様と一緒に共同研究を行えることは非常に光栄です。コンテンツ制作にかかわる人にもコンテンツを楽しむ人にも意味のある取り組みになるよう、研究実証を進めてまいります。

■ オトバンク代表取締役社長久保田裕也のコメント
オーディオブックの制作ノウハウをいちから開発してきましたが、今後さらに制作の裾野を広げるため今回の共同研究を実現しました。KDDI総合研究所さんとタッグを組むことで、本を「聴く」選択肢も当たり前に選べるような世の中に少しでも近づけられるよう取り組んでまいります。

■ 株式会社KDDI総合研究所（本社：埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長：中村元）
KDDI総合研究所は、KDDIグループの研究開発の中核として、様々な社会課題を解決しつつ、新たなライフスタイルの創造に向けて、先端技術研究所とKDDI research atelierの二拠点で研究活動を進めています。調査・応用研究拠点のKDDI research atelierでは、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate 5.0」を基に、デジタル技術を活用して、多くのパートナーの方々と連携し、活力に満ちた社会の実現に向けた取り組みを進めています。
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■ 株式会社オトバンク（本社：東京都文京区、代表取締役社長：久保田裕也）
音声コンテンツを中心とした事業を展開し、「聞き入る文化の創造」「目が不自由な人へのバリアフリー」「出版文化の振興」の達成を目指している、日本最大級の配信数を誇るオーディオブックカンパニーです。500社以上の出版社様と提携し、主な事業として、日本最大級のオーディオブック配信サービス「audiobook.jp」でのオーディオブック販売をはじめ、オンラインブックガイド「新刊JP」を中心とした書籍プロモーション事業も行っています。

（注1）株式会社オトバンク「紙・電子書籍につづく第三の書籍オーディオブック、書籍ラインナップ数で『audiobook.jp』が日本1位に」2021年12月20日掲載
（注2）Grand view Research “Audiobooks Market Size, Share & Trends Analysis Report” 2020年6月掲載
（注3）Edison Research＆Triton Digital “the infinite dial 2019” 2019年3月6日掲載
（注4）中国新聞出版研究院「第十八次全国国民閲読調査成果発布」2021年4月26日掲載
（注5）株式会社オトバンク「オーディオブック白書2021　コロナ禍のオーディオブック利用」2021年10月27日掲載

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