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ロボットAIの国際実機プラットフォームで世界1位に
~複数VLAの知識統合と動作予測により、実機ロボットの安定した自律動作を可能に~
2026年10月5日
株式会社KDDI総合研究所
KDDI総合研究所は2026年10月5日、ロボットAIの世界的なベンチマーク「RoboChallenge」(注1)の最新評価部門「Table 30 V2」(以下 本部門)において、世界1位(注2)(以下 本成果)になったことをお知らせします。
「RoboChallenge」は、世界最大規模のロボットAIの実機プラットフォームであり、フィジカルAI市場を牽引する中国ビッグテックや世界的なヒューマノイド開発企業などが世界各国から参加し、累計10万回以上の実機テストが行われています。本部門は、難度の高い双腕協調や柔軟物操作など「ロボットの手作業」に特化した実環境における実機性能を競うものです。なお、本部門は多くの企業が実機テストを行っており、Success Rateは日々更新され順位が変動します。

<リーダーボードの順位(10/5時点)>
本成果は、KDDI総合研究所が長年の研究により培った画像認識や状況理解の技術を生かし、複数のVLA(Vision-Language-Action)モデルの知識統合と、ロボットの動作結果を予測する「世界モデル」を用い最適な動作を選択する行動最適化を組み合わせた独自技術(以下 本技術)により実現しました。状況に応じて最も成功確率の高い動作や速度を動的に選択することで、多様な作業への高い適応力を実現し、実環境での安定した自律動作を可能にしました。また、本技術の開発にあたりオープンソースとして公開されているDexmalの「DM0.5」(注3)をはじめとする複数のVLAモデルを活用し、タスク成功率の向上を実現しました。
■ 本技術の概要
本技術は以下の2つの要素技術で構成されています。
● 知識統合技術:LLM(Large Language Model)やVLM(Vision Language Model)などの生成AIの知識統合では、優れたモデルの出力を忠実に再現するように学習を行うことがよいとされていました。一方、ロボットの動作では、「必ず同じ動きをしなくても、最終的にタスクが成功すればよい」という特性に着目し、タスクの成否に大きく影響する場面では優れたモデルの動作を重視し、それ以外の場面では柔軟な動作を許容することにしました。今回、タスクに応じて各VLAモデルの強みとなる把持の力加減や持ち替えのタイミングなど成功に大きく影響する動作知見を統合し、複数のVLAモデルの強みを生かしながら多様なタスクに対応可能な高性能モデルを構築しました。
● 行動最適化技術:強化した複数のVLAモデルが生成した動作プランを、現実世界の物理法則や因果関係を理解するAI「世界モデル」を用いて、「その動作を実行した場合ロボットがどのように動くと、タスクが成功するか」を事前に予測します。その予測をもとに、成功確率が最も高い動作を選択するとともに、タスクや状況に応じて最適な動作速度を動的に選択可能な技術を開発しました。

<本技術の概念図>
<タスクの一例:棚を開けて物を入れるタスク>
なお、「RoboChallenge」への参加にあたっては、早稲田大学理工学術院 国際理工学センター 劉江教授の協力のもと、実機を用いた事前評価やモデルのチューニングに関する検討を行いました。
■ 今後の展望
KDDI総合研究所は、GENIAC(注4)で採択された「小売物流業等の現場業務を代替するロボット基盤モデルの研究開発」に本技術を活用しながら、多種多様な作業を一つのシステムで柔軟に担うフィジカルAIの社会実装を推進していきます。また、多様なロボットやタスクへの対応を強化することで、小売り、物流、製造、設備保守などの分野におけるフィジカルAIの実用化を目指します。
(注1)RoboChallenge Table 30 V2とは、4種類の実機ロボットと30種類の実作業タスクを用いて、実機環境でAIモデルの性能を評価する国際ベンチマーク。
(注2)2026年10月5日時点。世界記録が掲載されたウェブサイト RoboChallenge
(注3)Dexmal社がオープンソースとして公開しているVLAモデル。画像と言語による指示を理解し、ロボットの動作を生成できる。
(注4)GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge):国内の生成AI開発力強化と社会実装の促進を目的に、経済産業省および国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が協力して実施する事業。
※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

