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調査レポート R&A「新型コロナ・ワクチンの現在地  ―mRNAワクチンの原理、予防効果、安全性を探る―」

2021年4月12日
株式会社KDDI総合研究所

KDDI総合研究所は、国内外のICT市場動向、情報通信政策などについて多角的な視点から調査したレポートR&Aを発行しました。

 

タイトル:新型コロナ・ワクチンの現在地  ―mRNAワクチンの原理、予防効果、安全性を探る―

執筆者 :小林雅一

 

サマリー

日本における新型コロナ・ワクチンの本格的な接種開始を前に、そのサーベイを一般メディアや学術誌などの記事をベースに行った。

 

ファイザー製のmRNAワクチンを始め、これまでに実用化された新型コロナ・ワクチンの多くは最先端のゲノム技術に基づく新種のワクチンだ。従来の不活化ワクチンのように感染症の原因となるウイルスを入手せずとも、そのDNA配列(塩基配列)さえ分れば、すぐに開発に取り掛かることができる。

 

またタンパク質の生成に直接関わる遺伝子操作に基づくワクチンであるだけに、開発の自由度や柔軟性も高い。さらに、この種の技術を医療やワクチンに応用する研究は1990年代に着手されるなど、既に相当のノウハウや技術、設備等も業界内に蓄えられていた。これらが感染拡大から僅か1年足らずでの実用化という、異例とも言えるワクチンのスピード開発につながったと見られる。

 

これまでに接種が大幅に進んだイスラエルや英国などの調査では、ファイザーやアストラゼネカ製のワクチンは治験段階とほぼ同程度の発症予防効果が報告されている。また暫定的な調査結果ながらも、感染を予防する効果も示されている。

 

一方、今後気になる変異ウイルスに対するワクチンの効果も限定的ではあるが評価されている。これまでに実用化されたワクチンはいずれも変異種が報告される前に開発されたものだが、今のところ様々な変異種にも一定の予防効果があると見られている。ただし変異種に応じた違いも見られ、ケースによっては若干効果が落ちるとの見方もある。

 

地域:世界

 

 

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