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- 先端技術研究所
XRに関する海外最先端研究機関との共同研究プロジェクト開始
～フィジカル空間とサイバー空間の融合によるXR実現に向けて～
2021年4月20日
株式会社KDDI総合研究所
株式会社KDDI総合研究所（本社：埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長：中村 元、以下「KDDI総合研究所」）は、XR（Cross Reality）技術を用いたフィジカル空間とサイバー空間の融合によるユーザーセントリックな超臨場感体験（注1）を実現するために、2021年4月から、映像信号処理分野の世界的権威である南カリフォルニア大学（アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス）のAntonio Ortega教授との共同研究を開始します。本共同研究を通して、XR分野のコア技術のひとつであるフィジカル空間再現に関する最先端の研究成果創出を目指します。
フィジカル空間とサイバー空間の融合を目的とするXR分野では、「人物のフォトリアリスティックな3次元コンピュータグラフィクス化（バーチャルヒューマン）」などの、フィジカル空間の3次元データ再現および映像表示が、視覚による超臨場感体験における重要な要素となります。さらにユーザーセントリックな超臨場感体験の実現に向けた取組みとして、これまでは、ある時刻のセンサーデータから得られた点の集合（点群）が用いられてきました。しかしながら、時々刻々と変化する人間の動きなどの時間的な構造が効果的に利用されておらず、再現空間が不連続なものとなる結果、体験価値を損ねるのに加え、データの圧縮効率低下を招いていました。今回の共同研究プロジェクトでは、最先端の信号処理理論であるグラフ信号処理を用いて、これら点群の時間変化をグラフとして構造化・解析することで、点群の表現品質向上や高効率データ圧縮に応用することを予定しています。
図1：XR体験の一例と本プロジェクトの対象
KDDI総合研究所は2030年を見据え、プロジェクトの成果を活用し、実物と見分けがつかないほどの写実的なフィジカル空間再現に関するコア技術の確立、およびそれらを用いた「あたかも今その場にいるかのような」遠隔コミュニケーション・医療・教育・エンターテインメントなどの実現を進めていきます。
■ 共同研究先情報
・研究グループ：南カリフォルニア大学
Signal Transformation, Analysis and Compression Group
・教 員： Antonio Ortega教授
・研究分野： グラフ信号処理；ディジタル画像/映像符号化および信号処理・解析；センサネットワーク
・共同研究/出資実績（KDDI除く）：
アメリカ国立科学財団（NSF）、アメリカ航空宇宙局（NASA）、アメリカ合衆国エネルギー省（DOE）、アメリカ国防高等研究計画局（DARPA）、Hewlett-Packard Company（HP）、Samsung Electronics Co., Ltd.、LG Electronics, Inc.、 Google LLC、Chevron Corporation、Texas Instruments, Inc.、Mitsubishi Electric Corporation、およびQualcomm, Inc.
■ KDDI総合研究所の取り組み
KDDIとKDDI総合研究所は、2030年を見据えた次世代社会構想「KDDI Accelerate5.0」を策定し、その具体化に向け、イノベーションを生むためのエコシステムの醸成に必要と考えられる「将来像」と「テクノロジー」の両面についてBeyond 5G/6Gホワイトペーパーにまとめました。
両社は新たなライフスタイルの実現を目指し、7つのテクノロジーとそれらが密接に連携するオーケストレーション技術の研究開発を推進します。
今回の成果は7つのテクノロジーの中の「XR」に該当します。
■ 参考
2020年10月26日報道発表
海外最先端の研究者との共同プロジェクトの開始
～次世代社会構想KDDI Accelerate 5.0の実現に向けて～
（注1）超臨場感の体験として、単に迫力や驚きを与えるのではなく、ユーザーの嗜好や環境に応じて空間を制御することで、自然さや快適性の追求を意識したもの。今回の取り組みは、グラフ信号処理という新しい技術によって、フィジカル空間再現に関わる体感品質や伝送効率の向上に貢献できることから、ユーザーセントリック超臨場感体験の実現につながります。
※ニュースリリースに記載された情報は、発表日現在のものです。 商品・サービスの料金、サービス内容・仕様、お問い合わせ先などの情報は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。