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5Gで日本科学未来館の展示空間をデジタル化する実証実験を実施

~物理的な制約を超えるデジタル展示「HYPER LANDSCAPE(ハイパー ランドスケープ)」を開発~

2021年3月10日
日本科学未来館
KDDI株式会社
株式会社KDDI総合研究所

日本科学未来館(所在地:東京都江東区、館長:毛利 衛、以下、未来館)、KDDI株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:髙橋 誠、以下、KDDI)、株式会社KDDI総合研究所(本社:埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長:中村 元、以下、KDDI総合研究所)は、未来館における鑑賞体験の拡大を目的に、展示をデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)する共同実験を2020年11月から進めてきました。このたび3者は2021年3月10日から、5Gや屋内VPS(注1)を活用し、現実空間にARコンテンツなどを重ねて展示することが可能になる「デジタル化された展示空間を構築する技術」の実証実験(以下、本実証実験)を実施します。
デジタル化された展示空間内では、スマートグラスを通じて、実物の展示の周りにARコンテンツが浮かび上がり、物理的な制約を超えた展示を鑑賞いただけます。

 

 

 

 

また、本実証実験のために開発したデジタル展示「HYPER LANDSCAPE(ハイパー ランドスケープ)」を一般のお客さまに体験いただくイベントを2021年3月11日から2021年3月14日の期間で実施(注2)します。
デジタル展示「HYPER LANDSCAPE」は、5G・XRなどのテクノロジーの社会実装を推進するKDDIのクリエイティブチームである「au VISION STUDIO」(注3)が企画、制作を担当しました。デジタル化された展示空間内では、スマートグラスを通じて、未来館のシンボル展示である世界初の有機ELパネルを使った地球ディスプレイ「ジオ・コスモス」の周りを人工衛星が飛び回る様子を鑑賞できるほか、5GによるMEC(注4)を活用したバーチャルヒューマン「coh(コウ)」がアテンダントとして登場します。
さらに、来場が難しいお客さま向けに、スマートフォン向けアプリ「au XR Door」内で会場をバーチャル体験できるコンテンツを提供します。

 

なお、本実証実験は3者が締結した「画像を用いた位置測位技術及び当該位置測位技術を用いた来館者への仮想空間体験提供技術の共同検証」の一環です。

 

詳細は別紙をご参照ください。

 

 

 

<別紙>

 

■ 実証実験の内容

 

未来館における新たな鑑賞体験の提案として制作した鑑賞コンテンツ「HYPER LANDSCAPE」では、5GやVPSを活用して物理的な制約を超えた展示空間の拡張を実現します。

 

1.スマートグラスによる直感的な鑑賞
スマートグラスを通してのみ現れるデジタル空間にある「もうひとつの未来館」の中を歩きながら、実空間に対応したさまざまなコンテンツをお楽しみいただけます。VPSによって今いる場所や向いている方向を自動的に特定し、適切なコンテンツをスマートグラス上に表示することで、より直感的な鑑賞体験が可能です。

 

 

 

 

2.MECを活用した高精細度3Dモデルのバーチャルヒューマン「coh」によるアテンダント
未来館内に設置したKDDIの5G基地局を介し、大容量のデータのリアルタイムレンダリングを可能とするMECサーバとスマートフォンおよびスマートグラスをつなぐことで、大容量・高精細なデジタルコンテンツの表示を実現します。
これにより、高精細なクオリティを維持してモバイル端末上でも動作が可能となったバーチャル ヒューマン「coh」がアテンダントとしてスマートグラス上に登場します。表情や動き、しぐさなどの非言語表現で情報伝達を可能にし、体験者がより直感的に、より分かり易く、展示空間を楽しめるようサポートします。

 

 

 

<バーチャルヒューマンによるアテンダント>

 

 

【本実証実験の実施体制】

 

未来館

実証実験の設計・実施、デジタルコンテンツ監修、会場提供

KDDI

実証実験の設計・実施、デジタルコンテンツ企画・制作、体験用端末提供

KDDI総合研究所

技術開発、評価検証

 

 

【「HYPER LANDSCAPE」制作パートナー】

 

株式会社Psychic VR Lab

Nreal向けに特化したクラウド型MRコンテンツ配信プラットフォーム
「STYLY for Nreal(スタイリー フォー エンリアル)」にKDDI総合
研究所のVPS技術などを実装し、本コンテンツを鑑賞・体験するための
アプリケーションを開発。

STYLY for Nrealについて

Psychic VR Labについて

株式会社オムニバス・ジャパン
(superSymmetry)

展示会場となる未来館のデジタルツイン空間のデザインと、空間に
表示されるデータの可視化。インフォグラフィックコンテンツの制作。

オムニバス・ジャパンについて

superSymmetryについて

株式会社FMB

アテンダントとして登場するバーチャルヒューマン「coh」の衣装の
3DCG制作。なお、今回着用している衣装のデザイン・スタイリングは
スタイリストの伏見京子さんによるもの。

FMBについて

 

 

■「HYPER LANDSCAPE」鑑賞体験イベント概要(注2)

 

会  期:2021年3月11日~2021年3月14日
開催時間:各日15:00~17:00
会  場:日本科学未来館 3F 常設展内
参加方法:当日、先着順にて受付。詳細はウェブサイトよりご確認ください。
体験料金:無料(注5)
イベントページ

 

 

【「au XR Door」での体験】
「au XR Door」は、スマートフォンの画面上に現れるARのドアに向かって歩いていくと、VR空間が楽しめるスマートフォン向けアプリです。この「au XR Door」上で未来館における「HYPER LANDSCAPE」の一部をバーチャル体験できるコンテンツを2021年3月19日から公開予定です。
お手持ちのスマートフォンでご自宅などからもお楽しみいただけます。
au XR Door特設ページ

 

 

(参考)

 

未来館シンボル展示「ジオ・コスモス」

 

館長 毛利 衛の「宇宙から見た地球の姿を共有したい」という思いの込められたシンボル展示「ジオ・コスモス」は、1,000万画素を超える高解像度で、宇宙空間に輝く地球の姿をリアルに映し出します。
また、球体としての特性を活かし、これまでさまざまな研究者やクリエイターとともに、球体映像表現の可能性を追求してきました。

 

 

(注1)VPS(Visual Positioning Service):従来のGPS(Global Positioning System、全地球測位システム)の発展系と位置付けられ、現実世界のデジタルツインとなる3Dマップ(3Dメッシュ)と、スマートフォンやスマートグラスに搭載されたカメラ越しの画像とを照合し、向きや方位を含む高精度な位置情報を特定します。
(注2)新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、入館には事前にオンラインでのチケット予約を行っているほか、入口ではサーモグラフィーによる検温や手指消毒の実施などの取り組みを行っています。
(注3)au VISION STUDIO:今後の社会において実現させたいことを5つの取り組みとして掲げ、5GやXRなどの先端テクノロジーとアイデアに加え、これまでKDDIが取り組んできたXR施策の知見をもとに、先進的な体験の企画、制作、社会実装に至るまでを1つのチームとして担います。
サイトURL
(注4)MEC(Multi-access Edge Computing):ユーザーに近いモバイルネットワーク内でデータ処理などをする技術。
(注5)別途、入館料が必要です。

 

 

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