- KDDI research atelier
調査レポート R&A「コロナ禍の地域差が『新しい生活様式』にかかわる サービス利用に与える影響」
2021年8月3日
株式会社KDDI総合研究所
KDDI総合研究所は、国内外のICT市場動向、情報通信政策などについて多角的な視点から調査したレポートR&Aを発行しました。
タイトル:コロナ禍の地域差が「新しい生活様式」にかかわる サービス利用に与える影響
執筆者 :新倉純樹
サマリー
本稿は、地域ごとのコロナ禍の状況の違いが、「新しい生活様式」に関連する各サービス利用に、どのような影響を与えているか明らかにすることを目的としている。
本稿執筆時点で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中で猛威をふるっているが、その感染症対策として、「新しい生活様式」が掲げられている。「新しい生活様式」では、不要な外出や人との接触を極力避けることが掲げられており、それらを促進するために、オンラインを利用することが厚生労働省などによって推奨されている。実際に、コロナ禍によって、飲食店や旅行業の消費が抑制される一方、「新しい生活様式」にかかわるサービスの利用は増加したとされている。
そのうえで、本稿は国内の感染状況も地域によって異なっていることに着目した。コロナ禍が深刻なエリアほど、より「新しい生活様式」にかかわるサービスの利用が進むことが想定されるためである。
そこで本稿では、弊所が実施しているインターネット調査の結果を用いて、コロナ陽性者数が多い地域とそれ以外の地域について、複数のオンラインサービスの利用率を集計した。そして、それぞれのエリアのサービス利用率を二群の比率の差の検定を行った。その結果は、「宅配サービス」、「オンラインショッピング」、「オンライン飲み会」、「無料動画配信」および「有料動画配信」といったサービスについて、統計的に有意な差が認められたうえで、コロナ禍陽性者数が多いエリアのほうが利用率も高いというものだった。一方、「食材宅配サービス」、「オンライン学習」、「オンラインゲーム」や「キャッシュレス決済」といったサービスでは、統計的に有意な差は認められなかった。
この結果から、コロナ禍の状況が深刻なエリアほど、娯楽などの不要不急とされた外出が控えられ、それを自宅で代替するサービスが利用されるようになったと考えられる。
地域:日本
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