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基地局向けデータ圧縮方式 欧州電気通信標準化機構(ETSI)の国際標準規格に採用 ~信号品質を維持しつつ、基地局エントランス回線トラヒックを大幅削減~

2014年5月20日
株式会社KDDI研究所

 KDDI研究所はLTE-Advanced基地局間での高度な協調動作を可能とするC-RAN*1構成にて、LTE-Advancedの信号品質を維持しつつ、基地局向けエントランス回線*2のトラヒックを50%削減できるデータ圧縮方式を開発し、国際標準化を進めてきました。このたび、欧州電気通信標準化機構(ETSI)にて仕様化が進められている基地局向け信号インタフェースの国際標準規格に、KDDI研究所提案の本方式が採用されることが決定しました。(「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」にて本方式のデモをご覧いただけます。)

 

 スマートフォンに代表される多機能携帯端末の急速な普及により、モバイルトラヒックが爆発的に急増しており、今後さらなる通信速度の向上が求められています。その実現には、キャリアアグリゲーションなどのLTE-Advanced技術の導入や、基地局間での高度な協調動作を可能とするC-RAN構成が有効です。しかしながら、C-RAN構成は基地局向けエントランス回線のトラヒックが従来の約16倍にもなることから、そのトラヒックの大幅な削減が課題となっていました。

 

 このたび、KDDI研究所はLTE-Advancedの信号波形の特徴をうまく利用することで、信号品質を維持しつつ、基地局向けエントランス回線を流れるトラヒック量を50%削減できるデータ圧縮方式を開発しました。また、本方式の国際標準化を進め、欧州電気通信標準化機構(ETSI)にて検討されている基地局向け信号インタフェースの国際標準規格に、弊社提案の同方式が採用されることが決定しました。これにより、基地局向けエントランス回線のトラヒックを大幅に増やすことなく、基地局間での高度な協調動作が可能となります。なお、本方式はLTE-Advanced信号に加えてLTE信号にも適用可能です。

 

 本方式を適用したデータ圧縮装置を、2014年5月28日(水)から東京ビッグサイトで開催される「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2014」に出展いたします。

 

 本研究開発は、総務省平成25年度「ミリ波を活用するヘテロジニアスセルラネットワークの研究開発」の成果の一部です。

 

 本方式の詳細はこちらから

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以上

 

 

 

*1 基地局制御部を1ヶ所に集約することで、多数の基地局の集中制御集を可能とするネットワークアーキテクチャ。 Centralized Radio Access Networkの略。

*2 LTE/LTE-Advanced基地局と収容局とを結ぶ光ファイバ回線。

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